75.お前
試験が終わる。
「いやぁ〜微妙だなー」
「私、行けたかも」
合格発表まで、30分程度待たされる。
免許センターのエントランスに座り、
愛生さんと会話を続ける。
合宿免許では一緒だったものの
しばらく間が空いているわけで
会話はテストの内容ばかりで
そう、なんというか、事務的な話だ。
うまく会話にならない。
狩屋。
お前、よくこんな子に告白できたな。
ノーベル果敢に告白賞があれば受賞だ。
そしてお前の点数は2点だったが、2倍で4点だ。
俺には手の届かない存在なのだろうか。
まー、でも考えてみろよ俺。
俺って何点の男なんだ?
ユキちゃんとはキスしかけたし、遥さんとはデートの約束をしたし、真琴は俺の事・・・好きだったし。
俺って実はモテるんじゃねーの?
というか、今がチャンスなんじゃないの?
つーか、例えば、今から言おうとしている
冗談みたいな事、言ってみたりして
それがダメでも、遙さんとか、ユキちゃんが
いるんじゃないの?
魔女の事とかあるけど、愛生さんはセーフっぽくないか?
さぁ、考えてみよう。
俺の点数・・・
「ねぇ、愛生さん」
「なにー?」
「この試験合格したら!デートして!!!」
今日の俺は何かがおかしい。
これが青春なのか。
唐突な賭けに出た俺に、愛生さんは
顔を赤らめて言う。
「私で良ければ」
アナウンスと共に
電光掲示板に映し出される合格者の受験番号。
狩屋!すまん!




