73.役所は混むから気を付けろ
複雑な味の蕎麦を食べた足で
区役所まで乗せていってもらう。
公務員ってのは楽な職業だと、
思ったが役所に来てそのイメージが変わった。
市民窓口には人が押し寄せ、理解の足らない老人や頭の悪そうな若者に対し
怒りを買わぬように丁寧に説明している。
よく分からない事務処理をやりながら
こうやって対応するのだから
公務員は大変なんだろうな。
まぁ、7点の仕事か。
役所の窓口に向かい
自動車免許取得の為に住民票の発行手続きを
行いに来たのだ。
簡単な申し込み用紙を記入し、
発券された紙の番号が呼ばれるまで待つ。
暇だ、暇すぎる。
とりあえず待合スペースに座り
スマホを開く。
茂木から連絡が来ていた。
[明日免許試験受けるんだろ?頑張れよ]
茂木よ。ありがとう。そういえばコイツも同じ出身地だ。俺と同じように住民票を取得して、同じ様に試験を受けるのか。
[役所は混むから気を付けろ]
そう返信する。
[その後、何かありましたか?]
と連絡を入れてきたのは、里山さんだった。
あの雪の日以来、連絡は行っているものの、具体的な会話や直接会って何かをするような事はしていない。
少し、気が引けていたからだ。
[特に・・・]とだけ返す。
そういえば・・・と思い、俺は久し振りに山里ブログにアクセスする。
山里ブログ 魔女伝説
~君は魔女を見たか!?〜
相変わらずダサいブログタイトル。
知らぬ間に記事が更新されていた。
>私は、魔女を追いかけてきました。
>魔女のアニメが好きでした。実在すると思っていたのです。
>まずはそのアニメのレビューを書くべきかな、と・・・
相変わらず、有力な情報が無い。
里山さん自身も、確証の無い記事は書きたくないと言っている。円形隆起や突然の雪の事、もちろんではあるが、俺の事は全く書いてなかった。
意外と信用出来るかもしれない。あのオッサンの事。
ブログ記事を読んでいると、ピンポーンと音が鳴り、
合成された音声が聞こえる。
『319番 デ オマチノカタ 窓口マデ オコシクダサイ』
やっと窓口で呼ばれた。30分は待っていたぞ。
カウンターに向かう俺。
そして、
そこで
あるものが目に入ってしまう。




