↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
72/140

72.正式


少し遅めの時間に入ったその蕎麦屋は

平日という事もあり、

俺たち3人以外は客がいなかった。


狭い店内の見上げた角にテレビがあり、料理が届くまでの気まずい時間を取り繕うように、ワイドショーが流れている。



ー〝しかしまぁ最近、不可解な事が多いですねぇ〟



円形隆起に続いて、雪が降った絵空市の話題は未だに報道されている。

最近はテレビまでもが魔女伝説に縋り付いているようだが、本当の事を知っているのは俺くらいじゃないだろうか。


ま、俺だって全てわからないことだらけだ。


「どーなってんのよ、絵空市は」

「魔女の仕業だってさ」


「ははは!魔女か!」

会話に混ざってくる男。

俺が何も言わないから、一瞬の間が出来る。


「魔女なんていたら笑うよね〜私も魔法使いたいわ〜」

母が無意味な事を言い、話を広げようとする。



微妙な間。



実は俺は、なんとなく察しているのだ。



たぶん、




私たち、結婚します




って、そう正式に

2人の口から出てくる。

そう思っている。




俺はどうしたら良いのだろう。



少し怖い。

もちろん母の苦労は知っている。

男に逃げられ、女手一つで俺を育て

貧乏ながらも俺が大学に行けるのは

母のおかげだった。


ミツルさん、はとても良い感じの人だ。

でもそれは俺にだけ見せている顔かもしれない。


また、母があのクソ男みたいな人間と

結婚しないか、心配なのだ。



俺には、それが分からない。



届いた蕎麦を食べながら

複雑な気持ちも飲み込む。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。