69.惑わされ
あの雪の日から1週間が経ち、
それどころじゃなかった事を思い出す。
遥さんとのデートの日。
その日のランチの言葉。
遥さんから出された難問。
どうして手を繋いだか?
俺のこと好きなんですか?
と答えた、その返し。
「正解は・・・」
ー次のデートで教えてあげる。
その言葉に、ずっと惑わされていた。
次のデート!?
次はデートなのか!?
まずはそこが引っかかってしょうがない。
やっぱり、先日のは、サークル活動と称した、デートだったのだろうか・・・
でも、その直後、雪が降った。
俺は遥さんが魔女ではないかと、疑いはじめていた。
あの人と、これ以上近付いたら、どうなるのだろうか。次は、キスでもしてしまうのだろうか。
俺は甲子園を見ながら、そんなことを考えていた。
遥さんが好きだ。
これは、色んな意味がある。
一番近しい女性である事、それが一番の理由なのだが・・・
でも、もし、次にデートをして、
仮にキスをしたら・・・
世界は、終わるのか?
早く、この魔女に関わるエトセトラを
どうにかしなければならない。
数あるうちの疑問のひとつ。
どうして、俺なのか。
真琴の言葉を思い出す。
ーお母さんが魔女だったりして?
そんなバカな、と思いつつも
俺は母親に電話していた。
『もしもし』
「俺だけど」
『何よ、急に』
「いや、なんつーか、最近さぁ、変な事が起きててさー」
『大丈夫だったの?』
「うん。変な事も起こるんだねー。ネットではさー、魔女の仕業って話もあってさー」
『そんなわけないでしょ』
「か、母さん、魔女だったり、しないよねー?」
『そんなわけないでしょ』
少し安心した。
「来週ぐらいに免許取りに行くからよろしくー」
そう伝えて、俺は電話を切った。




