68.閑散とした店内
「ご、ごめん」
ユキちゃんに謝る俺。
久し振りに見る顔。
ロリっ娘。昼ユキ。
「変態っ!」
頭から、プシュップシュッ、っと分かりやすく怒ってる感じでユキちゃんはプンスカしていた。
先日の事など、無かったように。
店長がスタッフルームに戻り、閑散とした店内のレジに2人が立つ。やる事がない。
・・・これは気まずいぞ。俺。
そんな空気を察したのか、ユキちゃんが話しかけてきた。
「あれ以来、ストーカーはいなくなりましたよぉ」
「それは良かった」
あれ以来。あの日。あの夜。
2人がそれを思い出してしまって、会話が途切れてしまう。誤魔化せ!俺!
「いっ、やぁー!それにしてもー!昨日の雪はなんだったんだろうねー!いやー!困っちゃうなー!」
「魔女の仕業じゃないですかぁ?」
ユキちゃんからそんな言葉が飛び出してきて
俺は一瞬驚く。
「ままま、魔女っ!?」
「えー?知らないんですかー?ネットで騒がれてるんですよー!魔女の仕業って!」
「まっさかー!魔女なんて・・・」
周知の事実だった。
絵空市円形隆起に関連し、この不可解な雪も、魔女ヶ崎という特異な地名に関連し、噂が伝播し、魔女伝説が創り上げられたのだ。
「いるんですかねぇ〜、魔女なんて」
心のどこかで思う。
すっとぼけているのか?ユキちゃん。
「どうだろうね」
「魔法が使えるなんていいなぁ〜」
「ユキさんは、魔法が使えたら、どうする?」
「う〜ん、人生やり直すかも」
言葉が出なかった。




