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64.人殺し


大学生活男子の理想のひとつ。

女の子を自分の部屋に連れ込むこと。


それが呆気なく、達成された!


そんな、ドキドキの気分と。

朝からの憂鬱な気持ちと、これまでの事、色んな気持ちが混ざっていた。



俺は誰かに話したかった。

魔女の事。

確かに里山さんに話をしたけれど、何かが違う。

あのオジサンを信用できるか分からない。



真琴に話そう。

そう思って、俺はこのデカ女を部屋に入れた。

最初に、救済の魔女の声を聞いた時、真琴とは出会っていなかった。いわばコイツは安全圏だ。




・・・と、そんな決心を決めているわけだが。




「人のベッドに勝手に寝るなよ」




コイツにはデリカシーが無いのか?

真琴は俺のベッドに寝そべっている。

掛け布団の上から、ごろりと寝転んでいた。



「いいじゃん、別に」

「いやなんか、アレだろ」

「ケチ」

「好きにしろ」

「一緒に寝る?」

「無視っ!」


今はそんな事じゃないんだ、デカ女よ。



「なぁ・・・真琴、信じてくれるか分からないんだけど・・・」



俺は真琴に、ゆっくりと話し始めた。



大学生活が始まって、


バイトして、


サークル入って、


同伴出勤とかして、


魔女の声が聞こえたりして、


魔女の言った通り円形隆起が起きて、


真琴に出会ったり、


狩屋に出会ったり、


ストーカーを退治したり、


遥さんとデートみたいな事したり・・・


そしてまた、


魔女の声が聞こえて、


雪が降って、


なにより、今回のこの超常現象とやらで



死者が出た事。


それが辛かった。





「俺が人を殺したんじゃないかって・・・考えた」





懺悔のように、俺は真琴に話をした。




「やーい、人殺し」




そう言いながら、

真琴が俺を抱きしめている。

何も喋れなくなる俺。



「余計な事して、ごめん」

「・・・」

「ごめんね。私、魔女の事よりも、あなたが・・・」

「・・・」






「私の事、好きじゃないんだって、わかった事が、つらい」






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