↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
63/140

63.天ぷら


「何してたの」と真琴。

「見りゃ分かるだろ」と俺。目線が合わない。


何故か、合わせられない。


「なんか久しぶりじゃない?」

「バイトから合宿、ずっと顔を合わせてたからな」

「だよねー」


時が止まるほどの静かさ。

こういうのは、嫌いだな、俺。

話したい事なら正直いっぱいある。


「デカ女も買い物に来たのか」

「その言い方やめてよ、変態」

「変態じゃねーし」

「私のアパートさ、水道が凍結しちゃって」

「そら、大変だ」

「こんな感じだから、買い占めが起きちゃって、コンビニにも何も売ってないし」

「スーパーが頼りってわけか」

「開店まで並ぼうかな。変態も暇なら一緒に並ぼうよ」



「しょうがねえな」



なんだろう、コイツの安心感。

女としては、ギリ見れるけど、100パー好きかと言われればそうじゃない。天ぷらで2番目に食べる食材、そういった女だな。



真琴と開店を待つ。

その間、狩屋とか茂木とか、愛生さんとか、オートマだとか、マニュアルだとか、バイト先だとか、そういう、他愛もない話をした。


それでも、寒くて、並ぶのをやめないか、そういった会話になった。



「変態さんの家は凍結してないの?」

「してないね」


「じゃあさ、凍結なおるまで家に入れてよ」


何言ってんだコイツ?

俺が一瞬の間を作ると、真琴が保険をかけるように、続けて喋り出す。


「な〜んてね」





「別にいいけど」





「じゃ、行っちゃおうかな」




寒さに堪え難かったし、真琴に話したい事が

たくさんあった。俺らの手は赤くなっていて、気がつけば顔や耳も赤い。

振り向けばスーパーの開店待ちの行列が出来ていて、先頭の俺たち2人はその権利を放棄し、さくさくと音を立てながら、自宅へ向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。