61.もはや超常現象としか言い様がありません
翌日。
それは当たり前のように降った雪で目が覚めた。
寒い。寒すぎる。
窓を開けると雪景色。白い息が漏れる。
昨日まで、夏で、今日から冬なのか?
俺は夢を見ているのだろうか?
頬をつねる。痛い。やっぱりコレって・・・
〝破滅の魔女〟の仕業なのか?
テレビをつける。
当たり前のように報道されている。
ー〝もはや超常現象としか言い様がありません〟
ニュース番組の専門家が諦めたように発言する。
俺はとりあえず長袖に着替えて、スマホを確認する。
何件もメッセージが入っている。
茂木、仮屋、遥さん、母親、そして里山さん。
まずは里山さんのメッセージを確認する。
[この雪は魔女が降らせたのか?]
その通りだろう。
だって、夏だよ、今。
夏休み中に、雪が降るものか。
テレビからは改めて情報が入る。
この雪は俺たちの住む絵空市でしか降っていないという事。
また、先日の円形隆起の範囲内でしか降っていないという事。
積雪10センチ。
俺は何故だか安堵した。
雪が降っただけで、済んだからだ。
この前みたいに地震が起きたわけではない。
しかし、時間が経つにつれ、雪の影響が報道されはじめていた。
交通、経済、また、急激な温度変化で運ばれた老人が多数いた事。
中には、亡くなった方がいた事。
これは、俺が引き金で起こした事なのか?
俺が雪を降らせたのか?
この雪は続くのだろうか?
焦りなのか、喉が乾く。水道は生きているようだ。
コップ1杯の水を汲み、すぐに飲み干す。
[間違いなく、魔女です]
俺は里山さんに返信する。
[ユキと何かあったのか]
里山さんは、ユキちゃんの事を呼び捨てしていた。
ちょっと気持ち悪いな。
考える。ユキちゃんと何かあったのは、里山さんを見つけたその日だけだ。
確かにあれは〝近づいた〟事になるんだろうけど・・・
里山さんにはあまり喋りたくない。
ユキちゃんが、雪を降らせた?
そんな駄洒落みたいな・・・
遥さん・・・なのか?




