52.どうして君なんだ
指定した日時、里山さんはやってきた。
ここは魔女ヶ崎のコンビニだ。
そういえば、ここは10点ガール愛生さんが働いているコンビニらしいが、今日はその姿を確認出来ない。
「ほ、本当に約束は守るのか?」
開口一番、里山さんが目を逸らしながら話しかけてきた。
年上だが、立場は俺の方が強いように思える。
「もちろんです。そして、その代わり、里山さんの知ってる事、教えてください」
「き、君ぃ、さては僕のブログを見て、手柄を横取りしようとしてるな!?」
「それは違います!」
俺と里山さんは少し離れたファミレスに場所を移し、会話をする事にした。
何やら勘違いしているようなので
俺は里山さんにこれまでの話を説明してみた。
信じてもらえるかは分からないが
里山さんからすれば大事な手がかりだ。
これまでの事を振り返って、話をする。
ー突如、夜眠る前に聞こえた声の事。
ーキスしたら、世界が終わるって言われた事。
ーどうやら破滅の魔女と救済の魔女がいるらしい事。
ー何故、俺なのか、分からない事。
ーキスをしなくても、心の距離が近付いたから、円形隆起が起きた事。
里山さんは、時には目を丸くし、時には頷き、時には呆れ顔で俺の話を聞いた。
「・・・もし、君の話を信じたとして、とても悔しいよ。どうして君なんだ?どうして君だけが、魔女と関われる」
「それも分からなくて、里山さんなら何か知ってるかなって・・・」
「・・・分からない」
「・・・」
「是非、取材に協力してくれないか?君にはもちろん出来るだけの情報は渡そう」
「はい」
少しの間を置き、俺はモヤモヤしている疑問を
里山さんに投げかけた。
「どうして、ユキちゃんをストーカーしてたんですか?」




