49.感情昂る
「さっ、里山さん!?」
目の前に現れたのは、里山さんだった。
コンビニの元従業員で、記者を目指していて
独身で、確か40代で・・・
魔女の手掛かりを持っているかもしれない人。
「き、君はバイト先の・・・」
「探してましたよ!」
「探してた!?」
「あっ、いや、違う!ユキちゃんへのストーカー行為はやめろ!」
「違うんだ!ストーカーじゃないんだ!」
「じゃあどうして、そんなに怪しい格好で、それに・・・そのカメラ!盗撮じゃないか!」
「ち、違う!取材のつもりだ・・・」
取材?何を言ってるんだ?
その時、少し、悪寒がした。
ー魔女を追いかける里山さん。
ー魔女ヶ崎に住んでいたユキちゃん。
ー突如バイトを辞めた里山さん。
ーバイト先が一緒だったユキちゃん。
ーキャバクラで同伴出勤した後。
ー円形隆起は起きた。
いやいや、まさか、ね。
「何の取材だっ!」
「それは教えられない」
「ユキちゃんに、近づくな!!!!!」
俺の感情昂ぶる声が夏の夜に響く。
「わ、分かったよ!許してくれ!」
「許すかどうかは・・・」
俺はいい事を思いつく。
「里山さん。今回の事、大目に見る代わりに、教えてほしい事があるんです」
「な、なんだよ」
「俺、知ってるかもしれないんです。魔女のこと」
「き、君!どうしてその事を!?」
「どうします?このまま捕まえて、警察に連れて行ってもいいんですよ」
「分かったよ!離せ!」
「明日!15時!魔女ヶ崎のコンビニで!」
「あそこだな!分かったよ!」
「逃げたら通報する!貴方の情報はコンビニの履歴書で確認出来る!」
「い、行くってば!!!」
そう言って、里山さんは足早に去っていった。
ゆっくりと歩いてきたユキちゃんが来る頃
その姿は夜の闇に溶けていた。




