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48.小回りテクニック


ユキちゃんは自転車を、俺は原付を引きながら

ユキちゃん宅を目指す。

ユキちゃんは昔魔女ヶ崎に住んでいて

今はコンビニから30分程度のボロアパートに住んでいるらしい。


そんな一人暮らしの、ユキちゃんの家に向かっている。俺は用心棒か。

って、これ、もしかして、お礼します!

とか言って、部屋に招き入れてもらえるとか!?

ある!?


そんな感じで歩きながら

今回の不審者について聞いてみた。


「不審者はどんな感じなの?」

「う〜ん、見た目真っ黒で、男か女か分からないけど、なんというか、男っぽいかなぁ・・・」

「他に特徴は・・・?」

「カメラを持ってたと思う」

「カメラ・・・その、盗撮目的なのかな?」


コンビニを出た時、すでに薄暗かったが

気がつくとあたりは真っ暗だ。


「盗撮・・・」

「ほ、ほら!ユキちゃんが、綺麗だから!写真に収めたい人といるんだろうなぁ」


ダメだ、何を言っても

この子の不安を取り去ることは出来ない。

例えばこれがキャバクラの痴情のもつれ的なヤツだったら、俺とユキちゃんが歩いてるのを見て

どう思うのだろう・・・って、俺、刺されたりするのか!?

防弾チョッキなんて着てない。



一気に緊張感が増す。

でも、男だろう、俺!




と、その時、ユキちゃんが立ち止まる。




「あ、あの人」



指をさした、遠くの電信柱の陰に、

黒い衣装に身を包んだ人がひとり。


俺は即座に原付のエンジンを入れ、ライトを照らす。

その瞬間、相手は走って逃げ出した。

俺は即座にズーマーで追いかける。


「まっ、待て!」


入り組んだ路地に消えていくが、

俺の原付の方が早い。

俺なりの小回りテクニックでくねくね曲がって、

直線で追い込んで即座に俺は相手を捕まえる。



そして、顔を見て見る。




「ちっ!違うんだ!」




驚いた顔を見せたのは





里山さんだった。


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