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36/140

36.真琴


バイト初日。

あっさりとバイトに合格し、

大学から10分程度の場所にある大きなホテル内にある、

ビアガーデンでバイトを掛け持ちする事になった。


茂木はキッチン、俺はホールだ。

見てくれが良いから、俺はホールなのか!?

ムフフ、俺はイケメンじゃないか。



大きな会場のビアガーデンは

まだ6月の終わりあたりで、

あまり客はいなかった。

安っぽいプラスチックのテーブルと椅子を

少ない人数で倉庫から取り出し、並べて

ホコリを拭く。全くもって面倒だ。



今日のホール担当はは俺と確か同じ学科だった男2人と女が1人。

男2人はずっとお喋りをしてやがる。

女は見かけないが、同い年ぐらいだろう。


どれ、暇だからバイト仲間に点数をつけるか。


俺はマジマジとその女を眺める。



(う〜ん、ちょっとふくよか。

身長があるからデブには見えないが、大きい女だな。

正直色気が無くて、顔はフツー。

採点も盛り上がらない。5点か)


女が近づいてくる。

え?俺に用?

すらっとした長い右手が、

客にバレないように俺に脇腹を突いた。

俺はビクッと、そしてドキッとする。



「いま私のこと見てたでしょ」

「なっ、なんだよいきなり」

「見てたでしょ?」

「ごめん、見てた」

「変態」

「は?何言ってんだデカ女」

「デカ女じゃない。真琴(まこと)って名前あるし」

「あっそう」

「それにね、デカくたって体育座りとかすれば、小さく見えるし」

「いやー、分かるだろ」


なんだコレ?

小学生の会話かよ。

一呼吸置いてみる。

そして、話題を広げてみる。



「学部どこ?」

「あっ、私美術専門校だよ」

「そうなんだ」

「変態さんは大学?」

「そう。って変態じゃなーよ、デカ女」

「デカ女じゃないし」

「学校楽しい?」

「うん、漫画描いてる」

「漫画好きなのか」

「変態さんも好きなの?エロマンガ」

「エロマンガじゃねーよ」


そこから俺はこの5点のデカ女・真琴と思いのほか話が盛り上がった。

そして何故かそのバイト終わりに連絡先を交換していた。



女子の連絡先第3号。



それにしても、なんつーか、アレだな。

うん、アレ。会話は小学生みたいだし、

でも正直、可愛いのか?


俺は認めたくないが、ツンツンされた時

不覚にもときめいてしまった・・・




6点に上方修正!!!



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