25.不可解な出来事
世の中には理解されない病気が多数ある。
そのうちのひとつが五月病だ。
俺ももれなくその病気を患った。
長めの休みを終えて、
明日からまた講義が始まる。
早く寝なければ。
そう思えば思うほど、眠れない。
《眠れないのね》
なっ!
また、あの声だ!
この声は、魔女だ!
「そ、その声は、いつかの、魔女!」
《お久しぶり。私は〝救済の魔女〟》
「にわかに信じ難いけど、本当に魔女なの?」
《私は魔女。そろそろ信じて》
「信じられないよ」
《たぶん、明日、〝不可解な出来事〟が起きる》
魔女は唐突に語り出した。
というか、これは俺の脳内に語りかけているのか?
《貴方は、好きになってはならない人と近づいてしまった。》
《キスまではいかないけど・・・心の距離が近づくほど、破滅の魔女は〝禁忌〟という力を得る。》
《その力を明日使いそうだなって予測が出来てる。
ーこれはもう仕方のない事。でも、貴方はあの人を好きになってはダメ。
心の距離を近づけるのも、ダメ》
「意味わからないよ!それに、誰なんだよ!
その、距離を近づけちゃならない人って!教えろよ!」
《魔女は正体を現してはいけない》
《そして、貴方が真実にたどり着かなければならない》
「その一点張りじゃないか」
《明日になれば分かる》
《貴方が見つけて、避けるの。
破滅の魔女との関わりを》
そこで、会話は途切れた。
は?
意味が分かんねー!
改めて考える。
俺に語りかけてきているのが
救済の魔女さん。
俺が恋をしてならないのは
破滅の魔女。
近づけば近づくほど、禁忌の力を得る?
それが不可解な出来事を起こす?
なんなんだよ、それ。
意味わからん。
そんな事を考えているうちに、
日を跨いだ。
0:00分。
ズドッ
えっ?
緩やかな地鳴りが始まる。
それは5分ほど続いた。
小さな、震度1ぐらいの地震が続いた。
船酔いのような感覚から抜け出した。
すぐさまテレビやラジオ
インターネット検索を行なったが
何一つ変化は無かった。
(何もないじゃないか)
俺は眠りにつく。
翌日、その狭い範囲で起きた異変が報道され始めた。




