22.特製袋ラーメン
今俺が1人暮らしをしているアパートにプラス1部屋した間取り。
外観はザ、貧乏と言わんばかりの見た目。
そんな感じのボロアパート。
それが俺の実家だ。
今まで俺と母親の2人で住んでいたわけだから、
別に広くもないが狭くもない。
何をするわけでもなく、だらだら過ごす。
気が付けば陽は落ちて
母が調理した特製袋ラーメンを食べていた。
俺は気になっていた事がある。
テレビを見ながら、俺は聞いてみた。
「母さん、彼氏でも出来たのか?」
「なっ、なによ急に」
母は啜っていたラーメンを逆流させ、
ゲホゲホとむせた。汚いなぁ。
「車、ヤニ臭かった。母さんタバコ吸わないだろ」
名探偵俺の推理が的中したのか、
母は黙って箸を置いた。
たった1ヶ月で車内がタバコ臭くなるのだ。
もしかしたら俺がいる時から付き合っていて
邪魔な息子が1人暮らしを始めたから
2人は本格的に交際をしているのだろうか?
「相変わらず鋭いね」
「名探偵でしょ」
「ねぇ、アンタがこっちいるうちに紹介してもいいかな?」
えっ・・・
嫌だな。
「俺が見定めてやるよ」
何を言ってんだ、俺は。
「そう?連絡してみていい?」
「じょ、上等だ」
本当は見たくない。
でも、母さんは今日まで苦労して生きてきた。
あのクソ男に逃げられて、たぶん、俺の知らない所で、俺が知りたくない苦労をしてきた。
だから、次は幸せになって欲しい。
その反面、男なんてできないで欲しい。
マザコンかよ、俺。
母と男のやりとりはすぐに終わった。
「明日来るってさ」
「マジかよ」
「夕方」
「わ、分かったよ。ご馳走さま」
どんな男が来るんだ?
そして俺はあの子を思い出していた。
バイト先のユキちゃん。
俺は父親がいない。
ユキちゃんは、両親がいない。
なんとなく、重なる。




