20.知る権利
「ユキ先輩は、どうしてお金を貯めているんですか」
勇気を出して、聞いてみることにした。
ある程度の会話をした後
気になっていたので切り出した。
これから俺はユキちゃんの願いで同伴出勤するので
知る権利はあるだろう。
「わたしね、両親がいないの」
「えっ・・・」
「私、この町の魔女ヶ崎って所に住んでいて」
魔女ヶ崎!?
「私の両親は“ある理由”でそこを追い出されたんだって」
「理由?」
「詳しいことは分からない。当時私は街を離れたくなくて、だだをこねて、結局おばあちゃん家に住むことにしたの」
「はぁ・・・」
「そんな事もあって、両親とは絶縁状態になった。そうして15の時、ばあちゃんは死んだの」
言葉が出てこない。
ユキちゃん、なんて人生を歩んでいるんだ。
両親がいない生活か・・・
これはさすがの俺にも想像がつかない。
「それから、私はひとり、生きる為にバイトをしてる・・・あっ、重いよね」
「ゆ、ユキ先輩!俺に出来ることがあれば、力になります!」
よく言った!俺!
「ありがとう。今日は同伴出勤だけど、もっと色んなコト、お願いしちゃおかな」
「はい!なんでも!」
こんな可愛い子の為なら、火の中、水の中!
どこへでも行ける!
「そろそろ、行こうか」
「はい」
喫茶店を出ると、街は夜に彩られていて、
俺はその中に溶け込んでいった。
ユキちゃんは魔女なのかな。
魔女ヶ崎出身なのかな。
昔いた一族って・・・
両親がいなくなった理由ってなんだろう。
翌日、財布の中身は空になっていて、
気がつけば4月は終わりを迎えていた。
【chapter.01】 おわり。
物語が動き出す【chapter.02】
引き続きお楽しみください。




