15.既に桜は
その日は待ちに待ったサークル活動だった。
茂木をうまい具合に撒いて、俺は部室に向かう。
「待ってたよ」
ハァ!!!遥さんだ!!!!
雀卓に肘ついてスマートフォンをいじくるその姿は
巨乳の谷間が見えそうで見えない!
はっ!?
まさか、これは、誘っているのか?
ー好きになってはいけない
救済の魔女とやらの声が脳内で再生される。
え?遥さんが魔女?
そんな訳ないよなぁ。
たしかに魔性のオンナ感はあるけど。
「ねえねえ、花見とかしたの?」
「してないです」
既に桜は散っていた。
「今日も人いないし、みにいこっか、桜」
「え?」
「私もまだ花見してないし」
「でも、ほとんど散っちゃいましたよ」
「捜索。探しに行くの。桜」
ちょっと楽しそうだ。
こうして2人で部室を出て、
まずは大学構内を散策する事にした。
なんとまぁ素敵なシーンだろう。
春のキャンパスを巨乳美女遥さんと歩く。
幸せか!
茂木よ!俺を目撃しろ!
そして後日、悔しがれ!
と、思っていたら
何やら見覚えのある男が近寄って来る。
「やぁ!」
えっ?馴れ馴れしいな。
あれ、どこかで見たことのある顔だ・・・
「・・・や、やぁ」
誰だ?
「ほら、さっき話しかけてくれたよね!」
あーっ!ドイツ語の!
俺を工学部と決めつけた!
1話前の文学部野郎!
横顔しか見なかったけど、前からの顔はちょっと
魚みたいな顔をしている!
とはいえ、慌てている俺を見ながら
文学部野郎が俺の遥さんに話しかける。
「サークル活動ですか?」
「うん。今日は桜を捜索してる」
「何のサークルですか?」
「マージャン」
「ええっ!本当ですか!?ちょうどサークルを
探していました!さらに!麻雀好きなんですよ!」
なぁっ、なにぃーっ!




