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14.人脈ってやつを


大学生活における

春、は運命の分かれ道だと言う。


俺は茂木以外の友達を望んでいた。

今日は茂木とドイツ語の授業を受けている。

全学部共通の授業のうちのひとつ。

そしてこの授業は愛生さんも

受講しているのだ。


俺が求める大学生活というのは、

こう、あれだ。

男女7人ぐらいのグループで

ワイワイガヤガヤ、春は花見、夏はBBQ

秋は温泉、冬はこっそりデート

こんな大学生活を望んでいる。


なのに、今の俺はどうだ?


よく話をする友人といえば茂木。

冴えない男、茂木。


隣人の夏美さんは彼氏がいるかもしれないし

バイト先のユキちゃんは腹黒だし

教室の離れた席にいる愛生さんには

近づけるチャンスが無い。

麻雀サークルの遥さんは・・・まだチャンスがあるかもしれない。


それにしても、逸脱している。


理想と。


何か、動かなければならない。

どうすればいい、俺。


単刀直入に聞くか?

愛生さんに、連絡先を・・・

いやいやいやいや、待て。

急すぎてキモくないか、俺。


しかし、この茂木は同じ高校出身なのに

連絡先を知らなようだ。

無能め!


愛生さんとお近付きになる方法は

無いのかな・・・


いいや、すぐに愛生さんを目指さなくていい

まずは、人脈ってやつを

広げるところからだ。


俺は右隣の茂木を意識しつつ

左隣の男に話しかけてみる事にした。

授業中だが、そもそも教授はビールの話しかしない。

ハイネケンハイネケン。何回目だこの話。


「ね、ねぇ」

話しかけてみる俺。

「ん?」

「この話、何回目だろうね」

「ハイネケンの話ね」

「き、君はさ、学部どこ?」

「文学部だよ」

「そ、そっかぁ」

「君は?工学部?」

「うん、まぁ」


まぁ工学部?

というかコイツ今俺を工学部だと決めつけた!?


そこで、会話が途切れる。

まぁよく見てみればチャラい男だ。

微妙に染めていて、肌は白い。

今風の大学デビューマンじゃないか!2点だ!



・・・ってあれ?



大学生活のスタートダッシュ

失敗してる?


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