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135.静かなコンビニ


今まで、年を越すというのは

とても大切な事で、面白いテレビ番組を観たり

友人にあけましておめでとうの連絡を送ったり

連絡が来る事に一喜一憂していた。


そんな感じの、ワクワクや特別感があったのだけれども


今年は、というか、年を越したのだけど


俺はコンビニで日付を跨いでいた。


妹が突如バイトを辞め、人が減り

俺は準夜勤の時間帯にシフトで入る事が増えていた。


「ユキちゃんの代わりなら!頑張りますよ!」

店長にも、そう言ってしまったので

今年の正月は俺が店番になった。


・・・それにしても暇だ。


店員以外で、年越しをコンビニで過ごしたい人間など稀だろう。


繰り返し聴いた店内放送と、閑散とした陳列棚、静かなコンビニ。



レジカウンターにただ突っ立って

ぼーっとしていた。



こんな時間、しばらく無かった。



ずっと何かに追われて、

焦って、



そんな日々から解放されて

それはそれで退屈といえば退屈だった。



入店音と共に、客が来る。

(珍しい!女性だ!しかも夜のお店の感じが凄い!香水の香りが半端ない!半端ないって!8点!)



「タバコ」とだけ。


「えーっと、どれ、ですか?銘柄とか」


「うーん・・・」

そう言って女はカバンからタバコの空箱を取り出した。


「あー、それですね」



あっさりと会計が終わり、

女はそそくさと店を去っていった。



あれは、男のおつかいだな・・・




そんな事を思って、結局、年越しバイトの客はその女だけだった。




・・・新しい年が始まる。


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