131.真実
《やっと、たどり着いたね、真実に》
目の前の妹は、目を灰色にして、口を閉ざしている。
救済の魔女は、俺の脳内に話しかけている。不思議な感覚だ。
「ねぇ、君たち魔女って言うのはさ、妹に依存しないと生きていけないのか?」
《残念ながら》
俺は答えを早く知りたかった。
例えば魔女の人格が妹から消えるのであれば、元の生活に戻す事が出来る。
「それじゃあ、妹は絵空市を離れて、暮らさないといけない」
《そうなるね》
「君は魔女だから、分からないだろうけど、とっても大変な事なんだ。住む場所を変えるって。生きてきた道を変えるってさ」
《そうね。でも、現状、謝る事しか出来ない》
「都合のよい、何かがあるのかなって思ってたけど、無いんだね」
《・・・ごめんなさい》
「良いんだ。悪いのは魔女じゃない。俺の・・・あの、クソ男なんだ。あいつさえいなければ・・・」
でも・・・
あの男がいなければ・・・
目の前にいる、妹、ユキちゃん。
その存在は、今ここにいない。
なんとも、難しい。
命って。
だって、俺は正直思うのだけど
存在していけない人間なんていないと
たまに真面目に考えるからだ。
《・・・私はこの身体に生き続ける。魔法を使える場所が絵空市というだけで、今もこうやって姿を現わすことは出来る。修道女達は勘違いしているようだけど》
「破滅の魔女も?」
《うん》
「わかった。ありがとう」
《やっと会えたけど、もうしばらくは、会えない気がする》
「うん。色々、教えてくれてありがとう。君は良い方の魔女なんだろ」
《私は貴方の妹を苦しめてる。結局悪い魔女なのかもね。》
それが魔女との最後の会話だった。




