129.知らない場所
「妹は、あなた達の知らない場所にいる」
「騙したの」
「保険をかけただけです」
救済の魔女の声が聞こえた時、
俺は里山さんと真琴とユキちゃんと連絡を結んだ。
この3人だけは、俺と魔女にまつわる事を知っている。
里山さんが仲介となり、
真琴とユキちゃんの住所をすり替えた。
俺は夏美さんを疑っていた。
遥さんとの約束が本当だとしても、
妹の命を狙う人間がいる可能性がある。
そう思った。
どうやらこの予感は的中していた。
こうして単純なすり替えが完了し、陽ののぼらない朝が来た。
「ごめんなさい、録画もしていました」
真琴はボイスレコーダーを持っていた。
「訴えたり、警察に突き出したり、そんなつもりはありません。でも、夏美さん、これで多少は貴方の自由を奪えた」
「一枚上手だったってことね」
「妹にはもう、近づかないで下さい。俺も近づきません。これでどうですか?もう、超常現象も起きなくなるだろうし、夏美さんも、遥さんも、よく分からない一族の復讐とか、そんな事考えなくていいじゃないですか?」
「それは今後考えること。でも、魔女の効果は魔女ヶ崎を中心とした場所でしか起きない。教えてくれないでしょうけど、キミの妹が既にこの絵空市を出ているなら、私たちは追う必要はない」
とても有力な情報を得た。
そして、その場は収まる。
夏美さんを帰らせ、
安堵した瞬間、俺の身体から力が抜けて、
倒れこむ。
長い1日が終わって、寝ないで今日、
精神的な疲れが、襲いかかる。
そして、眠気が。
気が付けば、真琴の膝枕で
うたた寝したいた。
それをチャンスだと思ったのか
真琴は俺にキスをしていた。
そんな事は、残念ながら疲れに負けてしまっていた。




