127.魔女
(今度こそ、真実にたどり着きそうなんだ。)
ナイスゥ〜、はアイドルのエビアスの言葉だ。
エビアスは、俺の地元の中学の同級生で、名前はカニエさんっと人で、海老名明日香は芸名で。
名前を使い分けていて。
昨日、ソラサイで、控室で出会った時と
ステージで踊って歌う姿は全く異なった。
多重人格かと思った程に。
(もうすぐだ。今は、そんな状況じゃないのに、分かりそうなんだ。)
今日の不可解な出来事も、これまでの不可解な出来事も日付を跨いでから起きていた。
日付を跨ぐ直前に、救済の魔女が俺に語りかけてくれて、日付を跨いだ瞬間は、声は聞こえなくなった。
(真実に辿り着くことは、怖い。)
ユキちゃん・・・妹本人は、自分が救済の魔女であるという認識を持っていなかった。多重人格のようなもの。
(見えてきた。)
魔女の事、分からないけど、どうして救済の魔女は、破滅の魔女がその力を使う事、そのタイミングを知っていたのだろうか。
(怖い。でも、分かってきている。)
《貴方は真実を間違えている》そう、救済の魔女が言っていた。真実。
今なら分かる。間違い、じゃない。でも、半分正解だったんだ。間違えていたのは、認識。
(真実。)
魔女はひとりの人間に宿る、もうひとつの人格だと思っていた。それは違かったんだ。
魔女は、
ひとつの人格に宿る、もうひとつの人格。
これが真実。
(つまり。)
昼のユキちゃんには、救済の魔女の人格があり
夜のユキちゃんに、破滅の魔女の人格がある。
破滅の魔女もまた、ユキちゃん。
妹が、魔女。




