126.必死の虚勢
ユキちゃん。
妹。異母兄妹。
その妹の住むボロアパート。
部屋の中には3人・・・
体育座りをし、顔を伏せる妹・・・
俺。ギャルの修道女、夏美さん。
奇妙なメンバー。
間にあったのか・・・?
「遥さんと約束をしてます、妹は殺さないって」
「うん、聞いたー。約束の取り交わしも。〝遥は〟魔女狩りをしないって言ってた」
凍りつく背筋。
「な・・・夏美さん・・・?」
「私がやらないとは言ってないよねー?」
「そんなの、屁理屈です」
「でもさー、ウチらも、見逃すこと出来ないわけ。魔女を目の前にして。遥は甘かったのよ。キミに恋をしたのかなんなのか、知らないけど」
「そもそも、どうして魔女狩りなんて・・・」
「キミに話すには、全然足りないくらいの、遠い遠い歴史があるんだよ?」
「遠い遠い歴史・・・」
「ま、なんだっていいんだけどさ」
そう言って、夏美さんはポケットから
小さなビンを取り出した。透明な、ビン。中には液体。
「これ、分かるよね?」
「毒・・・」
「まずさ、このコが魔女かどうか、確かめるのはいい?ちょっとつけるだけ」
軽く言うな、ギャルよ。
大切な妹の命、身体を、実験に使うな。
「出来ません」
「やろうよ」
「本当に、お願いです。やめてください」
顔を伏せたままの妹。何も喋らない。
「でも、ラチがあかないじゃん。もし、キミの言うキューサイの魔女が、悪くない魔女なら、毒にも反応しないかもよ?」
それは分からない。
でも、仮に、少しでも妹に傷がつくようなことがあれば、俺は許せない。許さない。
「妹が傷つくような事は、させない」
言い放つ。必死の虚勢。
「カッコいいこと言うねぇ。ナイスゥ〜」
ナイスゥ〜




