119.私達の使命
「あの・・・状況が分かりません」
ユキちゃんが震えた声で話す。
「ユキちゃん。俺が話すよ」
「さあ、何を教えてくれるの?」
遥さんは微動だにせず、水鉄砲を構えている。
よく考えれば滑稽だ。
「この子は、俺の妹なんです」
「それが?」
えっ?それが?
「それがって・・・なんとも思わないんですか?」
「貴方も魔女の一族って事を言いたいの?」
「違う・・・そうじゃなくて・・・どこから話したら、良いんだろう」
「何を話すの?」
「その・・・この子は、たしかに魔女の一族の血があるかも、しれないんですけど、その、救済の魔女と言って、悪い魔女じゃ、ないんです」
「悪い魔女じゃない?」
不適な笑みを浮かべる遥さん。
「そ、そうなんですよ!救済の魔女!魔女にも、破滅の魔女と、救済の魔女ってのが、いるらしくて、破滅の魔女と関わってはいけない!って、俺に教えてくれたのが、救済の魔女なんです!」
「・・・何のために?」
「えっ?・・・いや、キスしたら世界が滅びるからとか、なんとか・・・」
「魔女だって、世界の終わりは望んでないでしょうね」
確かに、そうだ。
「で、でも・・・」
「悪いけど、私達の末裔は魔女の呪いでずっとずっと酷い目に遭ってきたの」
「だからって、よく知らないけど、現代まで、それも、人殺しなんて、よくないですよ!」
「それが私達の使命なの」
「知りませんよ!そんな事!俺の妹に・・・手を出すな!」
威勢を張っても、銃口は下がらない。
「お兄ちゃん・・・」
ユキちゃんが・・・妹が俺を呼んだ。
「ユキちゃん、意味が分からないと思うけど、俺が守るよ。安心して」
「それは無理ね」
「お願いだよ、遥さん。妹は、悪い魔女じゃない。救済の魔女なんだ」
「それなら、悪い魔女の事は知ってるの?」
「知ってる、けど、もし今、妹に何かしたら、絶対に教えない」
悪い魔女の事は見当すらついてない・・・
これをダシにすれば、遥さんはユキちゃんを撃たないかもしれない。
「別にいいわ。そのうちたどり着けばいいから」
遥さんが引き金を引く。




