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116/140

116.ミスト


うん・・・

アイドルは避けて通ってきた俺だが

アイドルの歌ってこう、なんか新鮮。

何より同級生が歌ってる事が驚きだ。


ラップのような感じで、捉えきれない単語の羅列がつらつらと彼女の口から流れ、

オープニング用の曲だったのか、

すぐに1曲目は終わった。



ユキちゃんが戻らぬまま、2曲目が始まる。



そのイントロが流れた瞬間。



ライブセットで用意した仕掛けが発動する。

水をうまくはじき飛ばしたりして、

それを、大きめの扇風機で飛ばしたりして


ライブ会場にはミストが噴き出した。


11月の末だけど、このミストはライブ会場の熱気を冷ますのには丁度いい・・・

俺も手を仰ぐようにその霧を浴びる。




あれ?








嘘だろ。








手が、赤い。





遥さんの言葉を思い出す。




ー〝魔女だけに反応する毒。貴方の手は、少しだけ赤みがかっていた。反応したのよ。リトマス紙のような物なの。真っ青になれば間違いなく魔女。人間なら無反応。鍵キーには試した事が無いけど、赤らんだ〟ー



もしかして、この霧は・・・魔女を殺す毒!?



どうして?

遥さんはいなかった。

いや、今はそれどころじゃない。

この霧を止めるのか?

声がかき消される程のライブ会場の轟音。



ユキちゃん!?

ユキちゃんが戻ってきたら、

この霧を、浴びてしまう!



俺はすぐに席を飛び出す。



人をかき分けて、ライブ会場を後にする。



遠くで、茂木とユキちゃんが小走りで会場に向かっている。



「だ!ダメだ!」


俺は2人に言う。俺に気がついたのか

2人が呑気に手を振っている。







「あの子?」






目の前に、遥さんが現れる。

いつの間に?どうして?

どうして・・・



仕組んだのかよ、遥さん・・・




「待って!待ってよ!」



遥さんはユキちゃん目掛けて走り出した。




 

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