115.超超超満員
ライブのセットは大掛かりなものだった。
というかエビアスの曲など俺は知らないのだが、派手にヒラヒラしたものが飛んだり、霧が噴射されたりするようなこの演出は、どうやらソラサイ実行委員が考えたもののようだ。
一通りセットを終えて、時間が余る。
「ボランティアのみんな〜、これにて終了でいいぞ〜。後は楽しめ〜」
仮屋がそう言ったので、俺とユキちゃんは本日の使命を終えた。あれ、誰か忘れてるような・・・ま、いいか。
「せっかくだから、エビアスのライブ見ましょうよぉ〜」
ユキちゃんが提案する。
俺は中学の同級生と言う事で少し気になっていた。
ちょうど前半戦のミスコンが終わり、
ステージが切り替わった所だ。
そういえば、結果はどうだったのだろう?
そういうわけで30分前から俺とユキちゃんはボランティア特権という感じで、アイドルのライブステージの最前列に座る事が出来た。
後ろを振り向くと、既に立ち見客がいるくらいの超超超満員だ。俺は知らなかったが、エビアスってすげーんだな。
「私、芸能人見るの初めてなんですよぉー」
隣のユキちゃんが言う。楽しそうだ。
そして、ライブが始まる。
舞台に現れたのは、先ほどとは全く違った印象を受けた、アイドル、そして同級生、エビアスだった。
「それじゃあ〜、一曲目!いっくよ〜♪ もぎたて〜!?」
『フルーツ!!!』
後ろのオタ達が騒いでいる。
もぎたてフルーツ・・・
あっ!
茂木の事!忘れてた!
「やっべ、茂木の事忘れてたよ」
「私、呼んできますよぉ〜」
「えっ?いいの?」
「だって私の方が身長低いから、みんなの邪魔にならないでしょ?」
ライブが始まったばかりなのに・・・
さすが我が妹・・・
ユキちゃんが茂木を呼びにステージを後にする。




