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110/140

110.ポスターを支えている間


11月の中ごろ。

何度か持っていこうと思っては忘れていた、ソラサイのポスターを持って俺はバイト先のコンビニに向かう。


熊のような猫背の店長にポスター掲示を尋ねたところ、許可を貰った。



「大学生の青春って感じでイイねぇ〜」

店長がポスターを貼る俺を見ながら言う。


「別に、頼まれごとですから」

セロハンテープを使って窓にポスターを貼るのだが、意外にも水平に何かを貼り付けるってムズカシイ。


もたとたしてると、ユキちゃんが現れた。


「不器用さんですねぇ、手伝いますよぉ」


俺がポスターを支えている間に、ユキちゃんがセロハンテープを貼る。剥がしやすいように両端が折り返されていた。



「いいなぁ〜、学園祭って」



ユキちゃんがふと、こんな事を漏らす。



そもそも、この子は、俺の事を

どう思っているのだろう。





ー恨んでたり、したりして。





考えてみればそうだ。

互いにクソ男の遺伝子で産まれた訳だが

俺は母子家庭で、ユキちゃんは両親と別れてくらした。


そして、今がある。

俺は大学生で、ユキちゃんは、フリーターで、昼はコンビニ、夜はキャバクラの二重生活。


金の為に。



そんな人生の不公平感を、感じない訳がない。




「ゆ、ユキちゃんも来なよ」

「えーっ!?でも一緒に行く人もいないから無理〜!でも行ってみたいなぁ〜」

「俺と行く?って、ああ、俺は当日ボランティアだから無理だ」

「じゃあ、ボランティアに混ぜてくださいよー!」



なるほど。

確かにボランティアなら参加できるか。

仮屋に聞いてみよう。ボランティアは在校生だけが対象なのかと。


「わ、分かった!聞いてみる!」



(お願いね、おにーちゃん)



ユキちゃんがささやく。





お兄ちゃん。





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