11.救済の魔女
《ダメ》
え?
《絶対にダメ》
え?
《キスしたら世界は終わる》
は?
アルバイトを終え、
自宅に帰り、
コンビニで買ったカップラーメンを食べ
シャワーを浴び
歯を磨き、部屋着に着替え
パイプベッドに寝転がり
電気を消し、寝たはずの俺。
何かが聞こえてくる。
女の子の声だ。
どこかで聞いたような声。
さっきから何を言ってるんだ?
《あの人は〝破滅の魔女〟》
《貴方が破滅の魔女と・・・》
《キスしたら世界は終わる》
俺はテレビやパソコン、
スマートフォンの電源が
入っていない事を確認した。
この声はどこから?
もしかして、夢なのか、これ?
《私は〝救済の魔女〟》
《理由あって正体は教えられない》
《でも、私と貴方は出会っている》
《そしてまた〝破滅の魔女〟と貴方は出会っている》
《キスだけじゃないわ。貴方が〝破滅の魔女〟と関わり、近づくだけで、魔女は力を増やしていく・・・》
《だから、ダメ》
夢だよな?これ?
そうだ、夢だ。
今日、バイト先のフリーターの
オジサンが、魔女の話をするから
こんな変な夢を見たんだ。
そうに違いない。
逆に問いかけてみるか?俺。
「ねぇ、君は誰なの?」
《私は〝救済の魔女〟》
「そうじゃなくて!出会っているって事は、俺の知ってる人なんだよな?」
《正体を明かすことは出来ないわ》
質問を変えてみる。
「誰を好きになっちゃいけないんだ?」
《それは貴方がたどり着くべき真実》
「なんだよそれ。つーか、これ、夢だよな?」
《夢じゃない。魔法を使って、語りかけているの》
「嘘つけ。夢だね」
《頬でもつねってみれば?》
「ふん、ベタだけどやってみるか?」
俺は思いっきり頬をつねる。
「痛てぇっ!!!」
え?
夢じゃないの?




