106.ダンボール
11月になった。
段々と寒くなってきた。
コートを買おうかなと迷っている。
そんな季節。
大学の講義を終え、茂木と歩く。
講義棟を出て、学内の掲示板が
彩られていることに気付く。
カラフルなポスターが貼ってあった。
「これ、狩屋が言ってたやつだよな?」
俺はポスターを指差した。茂木もそれを見る。
ー〝第57回 ソラサイ〜standup〜〟
うん。ダサいサブタイトルだ。
どうしてこういう学園祭のサブタイトルは英語になりがちで、なおかつダサくなるのであろうか。ダサい。2点。
「ボランティアって言ってたやつか」
「茂木。お前、参加するの?」
「もちろんだ。友の頼みだからな」
「出会いが欲しいだけだろ?」
「お前はどうなんだよ。つーか、デートしたんだよな?」
「ま、まあな」
まさか、デートしたけど、魔女狩りで殺しを目論んでてとか、そんな話茂木は信じてくれないだろう。
「どうだったんだよ」
「おっ、教えるかよ」
「失敗したのか?」茂木はニヤニヤしながら言う。コイツ、人の失敗が嬉しいタイプの人間だな!
「知らねー」
「教えろよ!」
「さーて、帰りますかー」
今日はサークルの活動は無い。
ただ、俺は、遥さんの事が気になった。
何かしらの手掛かりがあるかもしれない。
気が付けば茂木を撒いて、ひとりサークル室へ向かっていた。
麻雀サークルにはやはり誰もいない。
扉を開けようとするが、鍵が掛かっている。
鍵は遥さんが持っている。どうにもならなかった。
諦めてサークル棟を出る。
「よォ〜手伝ってくれよなぁ〜」
狩屋が現れた。
よく分からないダンボールを持っていた。
後ろには、
「あれ?知り合いなの?」
夏美さんがいた。




