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103/140

103.毒


そこから帰りまでの間、

俺と遥さんの会話は少なかった。


帰り道の車中は、ラジオがずっと流れていた。


あ、でも、聞いておかなくちゃならない事がある。




「遥さん」



「ん?」



「そもそも、このデートって、その、あの日、映画館で手を繋いで、その答えを教えてくれるデートだって、言ってましたよね?」




「そうだね」




そうだ、まだ、夏の暑い日。

映画館に行って、恋愛映画を観て、遥さんが手を繋いできて・・・




「手を繋いだ理由って何ですか?」






「ごめんね。貴方が鍵(キー)だから、繋いだの」






「単純な、デートじゃなかったんですね」





「うん」





「俺を、騙したって事ですか」




「でも好意もあるよ」



「えっ?」



「えっ?って、私だって、女の子だよ?」




ドッ、ドッキーーーン!!!!




何を考えているんだ俺は!?

この人は娘を殺すかもしれない、

危険な人物だというのに。

この人から好意を伝えられた瞬間・・・しかもなんか急に女の子だよ?ってカワイイ発言されたから・・・

意味分からない感情のまま俺はドキマギしてしまった!



「ま、まぁ、そうですよね、」



「最初に言ったじゃない。今日は魔女の事忘れて、デートしよ?って」



「ま、まぁ・・・」



それにしても、新たに疑問が浮かぶ。

俺は質問を続ける。


「そもそも、どうして、俺が、その、鍵(キー)って分かるんですか?」



「それは教えられない」



「えっ?」



「でも、映画館で手を繋いだ時に、貴方が鍵(キー)である事は確認した」



「は?」



「実はね、申し訳ないけど、貴方にあの時、魔女を殺す為の毒をほんの少しだけ塗って触ったの」



「魔女を殺す、毒?」



「魔女だけに反応する毒。貴方の手は、少しだけ赤みがかっていた。反応したのよ。リトマス紙のような物なの。真っ青になれば間違いなく魔女。人間なら無反応。鍵(キー)には試した事が無いけど、赤らんだ」



「そ、それは!緊張で!」



「数週間、赤くなってたはずだよ。その手、薄らと・・・あっ、絵空市に突入しちゃうね。この話は終わり!」




手が赤い・・・思い出せない・・・


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