101.気持ちの悪い会話
ーここは魔女の力が及ばない範囲だから、話せるの
遥さんは前置きでそう説明をした。
魔女の力が及ぶ範囲が絵空市であれば、確かにここは安全圏であった。
「私はね、というか、私の一族は、魔女狩りを生業としてきたの」
「ま、魔女狩り!?」
「魔女ってどんなイメージを持つか分からないけど、
凶悪な存在なの」
「・・・凶悪」
破滅の魔女、は確かに凶悪な存在だ。
でも、それを止めようとする救済の魔女もいるはずだ。ユキちゃん。彼女は凶悪じゃない。
「私達はまだ、魔女の末裔を狩る使命を持っているの」
「狩るって・・・?」
「殺すの」
「えっ!?」
「昔からそうしてきたの」
遥さんは、魔女狩りを試みていて
魔女は殺される?
でもこれまで不可解な出来事が起きても
俺の周りに死者はいなかったし・・・
つまり遥さんは・・・
「魔女が誰なのか、知ってるんですか?」
魔女が誰なのか知らないはずだ。
「分からないわ」
「な、なぁ〜んだ!知らないのかー!?」
「貴方は、見当ついてるの?」
「いやぁー、分からないなー」
気持ちの悪い会話だ。
互いが互いに、どこまでの情報を知り得ているのかが分からない。
もし万が一、遥さんがユキちゃんの存在を知ってしまったら、無条件に殺されてしまうのか?
俺の、妹が?
殺される?
そもそも、救済の魔女っていう、イイ魔女の存在を遥さんは知ってるのか?
そもそも、遥さんの言ってることが本当なのか?
遥さんは手を叩く。
「とにかく、今日はデートを楽しまないと!」
仕切り直し!みたいなテンションで喋られても・・・
楽しめるのか!?水族館デート!?




