100.シスター
「遥さん?」
「ん?」
「今、なんて言いました?」
「パスタが食べたいって」
「その前は?」
「今日は普通のデートだから、魔女の事は忘れてって」
「え?魔女?」
遥さんの言葉に動揺を隠しきれない俺。
今すぐマンガみたいに急ブレーキをかけて、車の前面をぐにゃりとさせて後輪を浮かせたい。運転なんてしてる暇が無い。
どうして?唐突に?魔女の話?
「魔女の事、今日は忘れていいよ」
「ちょっと待って、遥さん?」
「なに?どうしたの?」
「魔女って・・・」
「知ってるよ。貴方のこと。貴方は鍵ってこと」
鍵?
「キーって何ですか?」
運転がぐらつく。
「次のパーキングエリアで話そうか」
しばらくの無言の後、車はパーキングエリアに停車し、2人で車を降りる。
新鮮な空気。人は少ない。
そこで何をいうでもなく、俺と遥さんは
ちょっとした芝生のスペースと、そこに置いてある木の机、その椅子で向かい合って座った。
「あの、キーってなんですか?」
「パンドラの箱を開けるカギ。貴方はキーマン」
「パンドラの箱?」
「パンドラの箱は、例え」
キーマン?キー?パンドラ?
一気にファンタジー感が増す。
「分かりません」
「知りたい?」
「知りたいです」
「でも今日はシンプルにデートだよ?」
「そんなデート、気が気ではない、というか。。。」
俺は遠くを見ながら、
遥さんに聞いてみる。
「遥さんは魔女、なんですか?」
「違うよ」
「えっ?」
「私は修道女」
シスター!?
さらに増していくファンタジー。




