スライムの川下り
ビーチボールをご存じだろうか。
あの、ビニールでできた、空気を吹き込んで膨らむ奴だ。
当然ながら水に浮く。
そしてもう一つ、浮き輪は誰でも知っているだろう。ビニールでできた空気を入れて水にうく奴だ。
浮き輪は俺のよく知る食べ物に似ている。
そう、ドーナツだ。
さて、とある有名なドーナツ屋さんのドーナツに、「ポン・○・リング」というものがあるのはご存知だろうか?どういうものかといえば、球体のドーナツを数珠繋ぎにしして円状につなぎ合わせたもの。
それをビーチボールで実現できないか?と考えた次第だ。
もっと言えば、そのビーチボールをスライムで実現できないか?と考えた次第だ。
(和田様、こんな感じでしょうか?)
"そう、そうだよ!ナイスだスラ吉!"
今目の前にはビーチボールのように中に空気を取り込んで水面に浮くスラ吉がいた。
"次は、ほかのスライムたちもスラ吉と同じようにしてみて。それができたらみんなでくっつくんだ。"
((((あいあいさー))))
そしてできたのは、ポン・○・リング風浮き輪 by グリーンスライム
だが、それでおわりじゃあない。これだと目立ちすぎる。
"俺と述べるが水に背を向けて浮かぶから、それを包み込むようにしてくれる?あと、その浮き輪の穴に俺たちの顔が来るようにしてくれる?"
「じゃあ、ノベル。俺に体を預けてくれ。」
「はっ、はいぃぃ。」
俺はノベルの背中に手をまわし、背泳ぎのような姿勢にする。そしてノベルにスライムのビーチボールが群がっていき・・・
それは完成した。"ポン・○・リング風浮き輪"で顔を覆うことで呼吸は完璧に確保しつつ、手足を掻かなくても浮くスライムボートだ。勿論おひとり限定。
俺も同じ要領でそれに続く。
ああ、何となくイメージとしては寝袋に入ったまま水に浮いている、という感じのほうが近いな。
途中、俺とノベルのスライムボートはドッキング。といっても単にくっついただけだ。そしてそのまま川の流れに身を任せて流される。いや、実はグリーンスライムが魚のヒレのようにゆらゆら漕いでくれているので、流れに身を任せるよりは速い。
しかし・・・
「はぁぁ~。流されていきますねぇ~。そして、すごく楽ちんですぅ~寝てもいいです?」
「そうだなぁ~。寝てもいいんじゃないかぁ?俺も寝るわ。」
そう、気持ちいいのだ。スライムがちょうど毛布のような役割もしてくれて、適温。それでいてウォーターベッドのように寝心地が抜群。しかも時間は深夜。
もう寝るしかない。
"じゃあ、スラ吉。モンスターや兵士が近づいてきたら起こしてくれ"
(あいあいさー)
というわけで俺たち二人は川に流されながらひと眠りすることにした。




