第二話 〜和也との会話〜
あれから、三日経った夕方、和也から電話がかかってきた。
「あのさ、この前のあの鉢植えの端に生えてた植物あったろ?やっぱり、あれ新種だったんだ。で、エイズの特効薬でもあることがわかった」と真剣に言ってくる。
私は、あんなのただの雑草程度にしか思っていなかったし、いきなりエイズの特効薬だった、というのに驚いて大声を出してしまった。
すると、和也が電話口から
「樹里、驚きすぎ……。でも、驚くのも無理はないか」と呆れているのか、呆れていないのか、わからない口調で言ってきた。
なので、私は、良いこと思いついたと思い
「一体、何が言いたいの?」と和也を困らせてみた。
案の定、和也は私のおもわく通りに、引っかかってくれて私は楽しませてもらった。
私の質問に答えられなくて
「えっと……」と戸惑っている様子が、可愛くて私の心をくすぐる。
でも、今になって和也を困らせたことを少し後悔している。
なぜかと言うと、そのことを言ってからというものの、確実に和也の口数が減ったからだ。
心配になり、私は
「さっき、言ったの何か嫌だった?」と和也に問いかけた。
でも、和也は
「別に」と一言呟いただけで、なかなか話が進まない。
どうしよう……。と思っていると、電話口からガヤガヤと人の話し声のような音が聞こえた。
その中から
「樹…ぃ!今か…ぁ、こっち…れる?」と早とちりに言う、和也の声が混じっている。
私は、何と言ったのかよく聞き取れなかったので、戸惑った。
そして、電話口に向かって大声で
「和也ぁ!何言ってるのか、聞き取れない」と顔を真っ赤にしながらも叫んだ。
すると、ガヤガヤしていた話し声がいきなり途絶えた。
私は、どうしたんだろう……。と思い
「どうかした?」と平然に尋ねた。
そしたら、和也が
「ゴメン!何でか知らないけど、電話スピーカーONにしちゃってたみたい……。それで、今の声研究所全員に聞こえちゃった……」と暗い。
私は、恥ずかしくなり
「あぁ〜もう…切る!」と言って、受話器をおこうとすると
「ちょっと待って!今から、あの植物についての大切な話したいから、研究所来て!」と焦っている、和也の声が聞こえた。
なので、口早に
「わかった!」と一言言い、受話器をおいた。
そして、開けていた窓を締め、戸締まりを確認し、家を出た。




