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7

昼間に訪れる泉と様子が違って見えた。

落ち着く場所のはずなのに今はドキドキと心臓がうるさい。

(この前の変な光景を見たからだろうか)

落ち着かず辺りを見渡す。

泉に映る煌めく星々。

アタシとは逆に落ち着いているモリス。

ビルは目を閉じているようだった。

「……すごいね」

「…あぁ」

星を見ているだけなのに何故か、何故か胸が苦しい。

「……っ」

「!大丈夫か?!」

締め付けられる痛みにたまらずしゃがみこんだ。

モリスが慌てて駆け寄ると優しく肩を抱いた。

「……ぁ、な、何…」

突然星々が流れるように動き出す。

驚きと何か分からない恐怖。

戸惑いながらモリスを見る。

「モ、モリス?」

返事がない。

モリスの目は夜空を流れる星ではなく、泉に映る星を見ていた。

「モリス!!」

アタシの声に反応してモリスは顔をあげる。

「!!」

顔をあげたモリスの片目から涙が溢れていた。

「モリス?どうしたの?!」

「…大丈夫だよ…ちょっと懐かしくて…」

そう言ってまた泉を見ていた。

アタシもじっと泉を見てみるとだんだん星ではないモノが見えて来た。

「?!」

(嘘!何でこんな…)

アタシの目に映っていたのは長いシルバーの髪の女の人と漆黒にも似た髪をもつ男の人。

(嫌だ、見たくない)

本能が告げている。「見るな」と。

目を逸らすことが出来ない。

女の人の姿を覆うように黒いモヤが纏わりつく。

男の人は必死に何かを叫ぶ。手を伸ばしたところで完全に女の人は黒いモヤに覆われて見えなくなってしまった。

(怖い…見たくない…嫌だ)

目を閉じたいのに閉じる事が出来ない。

(何で!こんな…)

あの女の人を飲み込んだ黒いモヤが怖い。

必死に手を伸ばし、何かを叫ぶ男の人に「もうやめて!」と言いたい。

なのにアタシはどうする事も出来ない。

「ピーィ!ピーィ!」

突然ビルの鳴き声が響く。

「!っは、はぁ、はぁ」

見ていたモノが消えた。ビルのお陰で見えなくなった。喉がカラカラで上手く息が出来ない。

(何なの…あれは…)

「ピーィ…」

「…ビル、ありがと、ねぇ」

「モリスあれは何だったの?」と言う言葉をアタシは飲み込んだ。モリスが居たであろう場所でモリスは地面に倒れていた。

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