一日を終えて。
「今日は疲れたろうから先に帰っとけ。」
王城についた途端、ガントルにそう言われた。
確かにそのとおりだなと思ったので、
「じゃあ、先に帰っとくね。」
そう言って、騎士団に背を向けた。
「あの、僕のミスをカバーしてくれてありがとうございました。」
驚いて後ろを向くと、若い男の子がおじぎしていた。グレイトボアがこっち来ちゃった原因の騎士かな?
「気にしないで、できることをしただけだよ。」
「尊敬してます。魔法の使い方とかも時間があるとき教えてください。」
「う、うん、わかった。」
やらかした、うんわかったじゃない。
とりあえずうんわかったっていうクセやめたい。
今日は色んな人に感謝されて、期待されて、初めてのことばっかりだった。
なぜだか自然と前を向いて、早歩きになっていた。
やることがないので、とりあえず夜ご飯でも作っておくか。
ちょっと早いかな?なんて思ったがなんせ料理は初めてなわけで、お昼すぎから作り始めるというのもいいと思うんですよ。
よっしゃ、ちょっとだけ本気見せちゃうか!
「今帰った。ただいま。ってなんだこれ?料理?か...」
そう、全然うまくいかない。味見をしてみたがひどいものだ。
あれかな、疲労回復にいいだろうって、薬草を入れたのがまずかったのか?それとも根本的に私が下手だったのだろうか。
せっかく美味しいもの食べてもらおうと思ったのに。
「ごめんね。料理作ってみたんだけど、苦手だったみたい。外で食べよ?」
本気で落ち込む。こんなに落ち込んだのは、魔塔を追い出されたときぐらいだわ。
「いや、せっかく作ってくれたなら食べてみよう。ちょっとだけ気になるし。」
「そう?じゃあスープとかよそっちゃうから、座ってて。」
「わかった。楽しみにしてる。」
どんな反応をされるのか、まずいって言われたらどうしようって思うと心臓がバクバクだ。
「さぁて、どんなもんかな?え?」
どうしたんだろう。紫色のスープを見た瞬間顔が固まった?
動かなくなっちゃった。
「どうしたの?」
「いや〜楽しみだなって。うんうん。」
声が裏返っている。なんで?
「いただきます。」
「うーん、いただきます。」
どう考えても、塩とか入れすぎたんだろうか、とっても苦い。
「思ったよりも美味しいぞ?作ってくれてありがとうな。もし作る機会またあったら次は一緒に作ってみようぜ?」
思ったより良い反応でびっくり
それに断る理由もないし一緒に作るの楽しみだな。
「じゃあ、お互い暇があるときに作ろ?」
「そうだな。」
最後に言っておかないといけないことがあった。
「そんなに美味しいなら明日も作ってあげようか?疲労回復にもいいし。」
「それは、大丈夫だ。」
何故か食い気味だった。




