言われてなかった。
「うんん、ここどこ?」
朝、目が覚めると、見知らぬベッドで寝ていた。
服は昨日のまま、あれ、ご飯食べたあとどうしたんだっけ?あと頭痛い。
ベッドから降り、部屋を見渡してみる。
一軒家か?とりあえず外に出よう。
まだ半分くらいしか空いていない目をこすりながら、ドアを開けた。
そこには庭でブンッと音を立てながら、上裸で剣を振るガントルの姿があった。
とても話しかけられる雰囲気じゃないし、頑張りを静かに見ておいてあげよう。見ていておもしろいし。
邪魔にならず、視界にも入らない場所にちょこんと座る。
いつもなら、男の裸なんて恥ずかしいと、静かに見守るんじゃなくこの場をそそくさと立ち去るだろう。
なぜだが、いくらでも見ていられる気がした。
「ふーっと、今日はこのくらいにしとくか。」
そうして、こちらの方をみて、少し驚いた表情になった。
「いたなら声くらいかけてくれよ。」
「頑張ってたから。部屋とベッド貸してくれてありがとう。」
「まあ、先にシャワーでも浴びてきてくれ。俺は朝食の用意をする。」
「わかった。」
ガントルに部屋の案内をしてもらい、シャワーを浴びた。持っていた服が魔塔に所属したときにつくってもらった正装しかない。
「これ着るしかないかぁ。」
しかし、やめたのにこれを着るハメになるとは、服買いに行こ。
「魔女様っぽいなその服。」
「うーん、魔塔の正装なのよ。正直複雑だし、着たくないんだけど服がないのよ。買いに行くの手伝ってくれない?」
「それはいいけど。十分かわいいぞ?それでいいだろ。今日俺の職場来るんだろ?」
「えっ?」
あー昨日酔った勢いでそんな感じのこと言った気がする。
今の私は仕事なし。
折角のチャンス、ものにしなければ!
「うん、忘れてた。じゃあこの服で行くね。」
朝食は、卵サンドイッチを作ってくれていた。
とても美味しそうなのだが、一つだけ言いたいことがある。
「服きないの?」
「めんどくさいし、後で着替える。俺の自慢の肉体だ、どう?かっこいいだろ?」
「まあいいけどさ、一緒にはやく食べよ。」
そう言いながら、テーブルに座る。
半裸のガントルも正面に座った。
食べている最中にガントルが言った。
「ミーニャさ、未婚の女性が未婚男性の家に泊まるってどうなんだ?泊めた俺が言うのも変だが。」
「あー、ガントルなら、大丈夫かなって思った。あと単純に酔ってて。」
言われて気づいた。そうだ、男の人の家に泊まってしまった。
「貴族じゃないし、あんまり気にしない。」
「そうだな。気にしてもしょうがないか。」
その時、話しながら水を注いでいた
「そうだ、王国騎士団に紹介してもいいか?」
「騎士団?」
「おう。俺一応、団長なんだ。権限もあるし、仕事振ってやれるぞ?」
え?騎士団長?そんなこと、言われてなかったよ。
せっかくの仕事なんだ。見放されないようにしないと。
あと、驚いているとても。私はできる女!!
表情には出さないのさ。
そっか位の感じで、
「名前ぐらいならギリギリいいよ。いきなり大人数はちょっとだけ緊張する。」
ガントルが静かにこちらをみる。
「ミーニャ、お前目が泳ぎまくってるし、水溢れてるぞ?」




