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酔っちゃった。

「なんだか言ってほしかった言葉。頑張ってきてよかった。そっか。」

独り言のように出た言葉。

嬉しい言葉を言ってくれた相手は、ガタイの良いでっかい男の人だった。

どうにかして感謝を伝えたい。

でも、ちょっとだけ恥ずかしい。

座ったまま、ちょっと顔を上げた。そこで初めて顔をみた。こんな顔してたんだ。


「ありがとう。うれしい。」

なんだか、耳が真っ赤になった。恥ずかしかったのだ、でもなんだか言った本人も言われた方も耳が真っ赤だったような....


「おう、まあ、そりゃ良かった。」


シーン...


お互い喋らなくなった。

「とりあえず、飯でも行くか?奢ってやるよ。」

沈黙を先に破ったのは、男の方だった。

「行く。ありがとう。お店はどこ?」


ミーニャはもちろん一人で宿も取れないし、注文を取りに来た店員にも怖がってしまって喋られなくなってしまう。言うならばコミュ障だった。

人が怖い。それがミーニャのコミュ障の原因だった。


なんだかこの人は怖くない気がする。

ついていくためにしっかりと服の後ろの方を持った。

「お店はオススメでいいよ。ついていくから。」

「おう、まかせとけ。このへんはよく来てるからな。」


引っ張られながらグイグイ進んでいき、独り身になってから初めての飲食店に入った。

店員に案内され、テーブル席に座った。


「じゃあ、まあ好きなの頼んでくれ。とりあえず夜飯だ。なんでクビになったかとか俺で良かったら聞いてやるよ。」

「ありがとう、でもここ来たことないからオススメでいいよ。」

「じゃあ、適当に頼んどくぞ。」


店員を呼び、男が注文しているとき、あることに気がついた。

この人の名前知らない。


「名前聞いてなかった。教えて。」

「ガントルだ。よろしくな。ミーニャ。」

「ん。よろしくガントル。」



しばらくして運ばれてきた料理はとても美味しそうだった。

でもなぜか、お酒を飲み、よく食べるガントルから目が逸らせなかった。


「そうだ、仕事ないなら俺の仕事手伝ってくれよ。魔法使えるんだし、働き口探してるならちょうどいいじゃね〜か。」

微妙に酔ってるな〜。そういう私もお酒を少し飲んでいる。酔っ払っているガントルは不思議と怖くはない。めんどくさくもない。今、楽しいんだろうな、私。

「じゃあ、私がその仕事手伝ってあげるよ。認めてもらったから私はできるよっ。できる子だよ私。」


このあたりから記憶がない。


「じゃあ、このへんでお別れだ。じゃあ、朝このあたりにいてくれ。」

「待って。家がないよ私。」

「じゃあ、おれんち来るか?」

「行くっ連れて行って」

服の後ろの方を持つ。これは酔っていても変わらない。

「たくっいちいちかわいいことすんなよ、悪い男よってきちまうぞ?」

「全員、魔法で倒してやる!!」


酔っているとき、人はできないことをできると言ってしまう事がある。

普通に考えてだめなこともいいんじゃね?と軽いノリで短絡的に行動できてしまう。

ミーニャは後ほど魔法が使えると言ったことをとても後悔するのだった。

本人は覚えていないが....

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