クビになりました。
魔塔に所属する魔女ミーニャ。
この魔女には誰にも言えない秘密があった。
それは....
「どうして、魔力が増えるごとに力も強くなっていくのよ〜!!!」
ミーニャは見た目は背が小さく、無害そうなふわふわした女の子だ。
だが、普通の人間でない。先祖にエルフがいたのだ。
エルフという種族は神に呪われている。
例えば、魔力が増えるごとに髪が伸びる、魔法の威力が増える代わりに魔力の保有量は減少する。
このように魔法にまつわる呪い、いわば森で暮らしていたエルフが生存競争に勝てるように神が力を授けてくれたものなのだ。
現代では、強力な魔法を人間が扱えるように工夫しているので、魔法を使うことで代償が伴うエルフは若干白い目で見られていた。
ミーニャの呪いは【魔力が増えるごとに何かを殴る威力が増すが、身長が伸びなくなる。】【魔力量が増大するが、魔力の放出ができなくなる】という珍しいが呪いが2つついていた。呪いは生まれてきたときに付いているものだが、あとから発現することもあるという。
身長に関しても、14歳のときから伸びなくなってしまった。
そして、現在何をしているかというと、魔塔にて働いている。
魔法が使えないが、魔力量がとんでもないので、魔導具の付与、魔力チャージなどなど毎日忙しくしていた。
「私でも使える魔法もあるはず!!研究!研究!」
仕事が終わったら、毎日自分でも使える魔法の研究に励む毎日だった。
ある日局長に呼ばれた。
「もう、お前は必要ない。穀潰しは去れ。なぜ他のものとお前が同じ給料なのだ。」
「でも、魔力のチャージ...」
「それは、他のものがサボっているだけだ。誰がどう見ても魔法が使えないお前に仕事を与えてやってるだけだろう。」
「でも、身体能力向上魔法を開発したんです。」
「お前は騎士にでもなるのか?私たちは魔法を研究している!魔力が少ないものでも使える魔法など....
言ってもしょうがない、さっさと荷物をまとめて出ていけ。」
「はい、すみません。お世話になりました。」
トボトボと自分の部屋にむかい、荷物をまとめて出ていった。
「仕事どうしようか。自分なりに頑張ってきたから、ショックだなぁ。わかってくれてるって思ってたのに。」
気が付かないうちに目から涙がこぼれ落ちていた。
シクシクと泣きながら歩く私をジロジロみんなが見てる。
でもしょうがないじゃん!クビになっちゃったし、部屋も魔塔のものだったから住むところもないんだよ。
もうヤダ。
何も頑張れません。
歩いてきたところにいい感じの日陰を発見した。
そこで、三角座りをしながら、うつむきシクシク泣いている。
「どうした?お嬢ちゃん。」
親切なガタイの良い男の人が声をかけてくれた。
「仕事がなくなって、どうしようかなって。あとお嬢ちゃんじゃない。お姉さんだから。大人だし。」
泣きながらそう答えると、
「おう、そりゃ悪かった。それでほんとは何歳なんだ?」
「29歳。」
「俺と同い年かよ。子どもかと思ったじゃねーかよ。」
言われすぎて、この言葉には何も感じなくなった。
「住むとこないし、お金はあるけど、店主に声をかけるのは怖いし、認めてもらってるって思ってたのは私だけでほんとは哀れに思ってて、仕事くれてただけだった。作った魔法も騎士の魔法かよって言われたし。もう全部最悪っッ!」
「騎士の魔法?」
「身体能力向上魔法よ!あれ私が作ったやつなの。」
「あれ、お前が作ったのか?」
「お前じゃないミーニャ。」
「ミーニャ、お前が作った魔法なのか?」
「だったら何なのよ!!」
しつこく聞いてくるから、怒鳴ってしまった。
認められなかった私の魔法、傷を弄くられるのは勘弁してほしい。
「ありがとう。本当に。」
「え?」
何を言われるのかと身構えていた私は予想外の言葉に狼狽えてしまった。
「あれで、仲間が死ぬことも少なくなったんだよ。」
「本当に?」
「ああ、あの魔法はどんなに派手な魔法よりも人の命を救ってる。俺が保証してやるよ。」
人間って単純だなって思った。
誰かに言ってほしかった言葉をもらった途端、ほら涙は気がついたら止まっていたんだから。
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