05-3
「兄さーん、そろそろ出ようよー」
家の中から、ルカの急かす声が聞こえてくる。
いつの間にかうたた寝をしていたらしいセオは、まだ腹立たしさが消えないままであったが、任務のためにベランダを後にした。
パラティリティスについては、また会ったときにもう一発食らわせることにしよう。
辿り着いた先は、何の変哲もないアパート。一階部分にはコンビニが入っており、早くも薄暗くなった道をギラギラと照らしている。
「そういえば、昔おっさんがよくアイス買ってくれたよねー」
「あー確かコンビニ限定のアイスだったっけか」
コンビニで買うものは、基本的にはスーパーなどで買うよりも高い。しかし、慎一郎はどうやらコンビニでしか売られていないアイスが大変お気に入りだったらしく、スーパーに寄った帰りにわざわざ寄って、「好きなの一ついいよ」と言ってくれていた。
「『ここでしか売られていないって、なんか魅力的だよね』とか何とか言ってたな」
「ねー。別にアイスにこだわらなくても、限定品なんて他の店にもいくらでもあっただろうに
さー」
なんでなんだろうね、ルカは笑いながら、二人でアパートの階段を登っていく。
そういえば、昔に比べ自然と慎一郎の話ができるようになった気がする。前はもう少し謎の緊張感があったような、ぎこちないような…そんな心地がしていた。そう思っていたのはセオだけだったのかもしれないが、胸のつかえが取れたからか、少しずつ思い出に浸ることも増えた。
どんどん記憶が記録となって、ぬるま湯につかるような、安らかなものに変わっていっている。
…
それで、いいんだろうか。
「兄さん?」
呼ばれた声にハッとして、セオはルカの顔を見る。
こちらを覗き込むように見つめるルカに、「何でもない」と目を閉じる。
今考えるべきことじゃない。
慎一郎のこと。パラティリティスのこと。そして、ルカのこと。
思考すべきことは山ほどあるが、全ては目の前のことを成してからだ。
「相変わらず考え事が多いねー兄さんは」
こちらに背を向けて再び歩き出すルカは、そのまま歩を止めることなく呟く。
「兄さん、脳みそは一つじゃないからね」
「は?」
「忘れないでね」
そう言って目的の部屋の前で歩を止めた。
こちらを見ると、何事もなかったかのように「さっさと任務終わらせちゃお!」と笑う。
きっとルカなりの励ましなのだろう。独特の激励に苦笑し、扉の鍵を開ける。
なんだかんだ平和に終わるだろうと。その時は慢心していた。
お疲れ様です。柏田です。
アイス大好きなんですよねー。コンビニでしか買えない棒のチョコアイスとかめっちゃ好きでした。
まあ限定であろうとなかろうとチョコアイスには目がなくてですね。雪見だいふくのショコラは毎年の楽しみです。
今回ちょっと短いですが、見ていただけると嬉しいです。
いつも本当にありがとうございます!PV数が伸びてきており大変嬉しいです!
気づけば3000PVも達成しておりました!皆様には感謝の気持ちでいっぱいです!!
引き続き応援よろしくお願いいたします!
それでは。




