94話 閑話 クリスマスイベント
どうしてもやりたかったので昨日からマッハで書きました!
ちょっと変な所があるかもだけど目を瞑ってくれると…。
「…ん………さむ…」
目が覚めると日差しが窓から差し込んでいて、外からは鳥の声が聞こえる。
小吉はもう一度寝ようと目を瞑り頭から毛布を被るがあまりにも寒すぎる為中々寝付けないでいた。
(仕方ない…起きるか…)
渋々上体を起こし毛布を体に巻き付ける。
「ん?」
毛布を巻き付けて立ち上がると妙な違和感をお腹の辺りに感じたので寒いのを我慢して捲ってみると…
「Zzz…Zzz…」
「何でお前がこっちに居るんだよ…」
お腹の辺りにまんじゅう形態でぐっすりと寝ているマニが居た…。
マニとイナリとトトーナとリリーにノエル、シエルの小動物組が寝ていた筈の場所を見てみると誰一人としてそこで寝ている奴は居なかった…代わりにライアーとフラールが寝てる場所が不自然に盛り上がっているのを見る限り寝てる間に移動したらしい。
自分の所にはマニしか来なかった事に軽くショックを受けつつまだ寝ているマニを頭の上の定位置に置いて再び毛布にくるまった。
(そう言えばルルーンはドコニ行ったのだろうか?)
昨日は溜りに溜まった疲れが出てきたのか帰ってきたらすぐに寝てしまった為あまり覚えてはいないのだが、確かルルーンは自分と同じ場所で寝ていたと思う…。
「あ」
いた…小吉が起き上がり毛布が無くなったベッドの上で1人膝を抱えてぷるぷると震えていた…。
申し訳ないと思ったが寒いのも嫌なのでルルーンをとりあえずライアーの寝てる毛布に滑り込ませ外に向かう。
ギィ…
「…おぉ」
外に出ると一面真っ白で、今も尚降り続く雪が積もり陽の光を受けて眩しく光ってる。
少し離れた場所ではまだ幼いゴブリン達がはしゃいでいた。
「こりゃ寒いわな…。しかしなんでまたこんなに降ったんだ?」
「た、多分"ゲーム"のイベントでしょ…。根幹から改造された世界だから解くのも無理だったらしいわ…」
不意に声がして振り返るとルルーンが体をさすりながらふよふよと飛んでいた。
恐らく"ゲーム"というのはこの世界の事だろう。
「そう言えば向こうじゃクリスマスだったな…、こっちでもあるのかよ…」
今まであまり思い出は無かったがせめて今回はライアーやマニが居るので楽しい物にしたい。
ぷるぷる…
「おっ、孵化するかな?」
「…わわわ私は卵じゃないです!スライムです!…なななんですかこれ?寒すぎるんですけど…寝起きドッキリですか?」
「お前水系の魔法得意だっただろ?」
「そ、それと寒いのは全くの別物です!折角気持ち良く寝てたのに酷いですよ!」
「そうだ!そうだ!」
頭の上で変身したマニがぽかぽかと叩いてくるが全く痛くない…それとルルーン、さらっと一緒になって叩くな。
「仕方無いだろ…お前達が選んだ寝床がハズレだったんだよ」
ちょっと言ってて悲しくなってきたので木製のステップを降りて地面に足をつけようとした…その時…
ズボッ!!!
視界が急激に下がり地面付近で止まって、手足の先から有り得ないほどの冷たさが伝わってきた…どうやら落とし穴があったらしい…手足以外に被害がない今、これ以上の被害を出さないためにも動く気が無くなった…。
「あっはははははは!!!そんな罠に掛かるとか弛んでるな!わーはははは!!」
もう犯人は分かっているが、地面からでた頭を回しバカ笑いの主を見る…。
全身雪まみれで片手にシャベルを持ったコルオが大爆笑していた…。
ぶちっ
ドゴーン!!
「あはははーーは?」
コルオは口を半開きで前を見て固まった…何故なら突然目の前から直径2m程の超特大雪玉が物凄い勢いで迫ってきたのだ…。
あまりに予想外過ぎてまともにそれを受け止めて雪に埋もれた…ついでにその向こうにあった木が衝撃で根元から折れた…。
「!?…ご主人様!?」
マニが驚いて目を見開く…当然これをやったのは青筋を浮かび上がらせた小吉である…。
ボスッ!!
「冷てぇぇ!!!?何するんだ!?先にやったのは小吉君だろう!?」
「先にやった?…………あっ」
すっかり忘れていたのだが、ルルーンと修行をする前の夜、散歩してた時にふと思い付きでコルオの寝てる小屋の前の階段付近に特大落とし穴を掘ったのを思い出した…そこで改めてさっきのコルオから考えるに作戦は成功したらしい。
「あっ、じゃないよ!!俺じゃなかったらどうするつもりだったんだよ!?」
「大丈夫だ、馬鹿しか掛からないと確信してたから」
「なんだと!?それは要するに俺が馬鹿だとでも言いたいのかー!?」
「うん。てかマニでもルルーンでもいいから上に引き揚げてくれ…めっちゃ寒い…」
「は、はい…」
「はぁ…仕方ないわね…マニ、そっち持って」
ギャーギャー喚くコルオを放っておいて無事救出された小吉は体と毛布についた雪を払い終える。
「あぁーあ…水分吸っちゃったよ…」
「吸っちゃったじゃない!!大体君はねぇーー」
世の中には乾燥させる魔術もあるらしいが魔術が殆ど使えない小吉は諦めて小屋の前のベンチに畳んで置いておく事にした。
「にしても寒いな…中に入って暖まろうぜ」
「そうですね」
「流石のあたしもこれは無理…入りましょ」
「そもそも君は人間としてーー」
何も聞こえないふりをして小吉が小屋の取っ手に手をかけると…
バタバタバタ!!
「?」
バンッ!!
「はぁはぁ…しまった!寝過ごした!」
「もう!なんでライアーさん起こしてくれなかったんですか!?」
「さ、寒かったら誰でも二度寝したくなるだろ!?フラールだってずっと寝てたんじゃないか!」
「でも私の方が先に起きましたよ!外で大きな音がしたからですけど!………あれ?小吉さん…何してるんですか?」
フラールがドアの向こうで鼻を抑えて蹲ってる小吉を発見して頭に?を浮かべた…、当の本人は痛みで涙を抑えるのに必死でそんな事は聞いていなかったが…。
「あぁ…もしかして私がドアを開けたとき…すまん小吉…」
「べ、別に…気にして…ないから…」
「ご主人様?大丈夫ですか?」
「大丈夫だ…問題…ない…」
「立てますか?」
「無理」
理由は簡単だ…泣き顔なんてみっともなくて見せられない…。
「おはようライアー!もうみんな始めてるよ!」
「すまんセリス!寝坊した!」
「大丈夫だよ!まだ間に合うって!2人とも早く早く!サンタさん逃しちゃうよ!」
「私サンタさんに会うの100年ぶりです!絶対に逃しませんよ!」
「私も今年こそは!よし!行くぞ!」
そう言って女性陣は村の外にダッシュで向かった…尋常じゃない速さで走る辺り本気を出して行動してるっぽい…。
「……はい、ハンカチ」
「…俺は泣いてないがハンカチは借りるぞ…いいか!?泣いてないからな!」
「はいはい…分かってるって…」
意外に女子力の高いルルーンが未だに蹲っている小吉にハンカチを手渡し、背中を撫でて慰めていた。
一方マニは疑問を顔に浮かべていた。
「…サンタさん?」
「あぁ、それはクリスマスイベントよ。この世界はまだ"ゲーム"としてのプログラムが残ってるの。クリスマス限定の魔物を倒して出るアイテムを一定数集めるとその日の夜にサンタさんが来てプレゼントをくれるの」
「私も会いたいです!」
「それにそのアイテムっていうのは極上のお菓子の材料にもなるのよ。あたしも少し欲しいなぁ…取ってくるか…」
「プレゼント目指して頑張りますよぉ!!みんな起きてー!!サンタさんを捕まえに行くよー!!」
捕まえんのかい!!
あの連中に狙われるサンタさんとやらに少し同情する小吉であった…。
「だから君には模範となるーー
「……あんたまだやってたの?」
ーーはっ!?そうだよ!こんな奴に構ってる場合じゃない!クリスマスモンスターを狩りに行かなければ!!」
そう言って己の使命を思い出したコルオも全力疾走で村の外に向かっていった…。
「忙しい事で…。で?貴方はどうする?集めるの?」
「俺はパス…寒いし眠ーー」
ザッザッザッザッ!!
「ほら!小吉も行くぞ!サンタさんだぞ!サンタさん!」
「…………」
「いってらっしゃーい」
いきなり村の外にから走ってきたライアーに掴まれ、小吉はズルズルと村の外に連行されていった…。
………
……
…
小吉は雪が降り注ぐ中傘をさして木にもたれかかって周りをゆっくりと見渡していた…。
「うぉぉー!!」
ドゴォーン
「そっちに行ったよ!!」
「おい!馬鹿!そこを離れると逃げちまうだろ!」
バキッ!
「ダレカタスケテ!」
「ワフッ!」
「ふぁー!」
クッキーマンみたいな小さな魔物と雪玉を持った雪だるまに対してみんな必死になって襲いかかっていた…。
しかし中々すばしっこいらしく上手く倒せないでいる様だ…。
ライアーやリンネ達は中々のチームワークで可愛らしいクリスマスモンスターを蹴散らして着々とガチャガチャに似た玉を集めては喜んでいる。
「世も末だなぁ…」
時々ゴブリンの子供達がクリスマスモンスターを追い掛けてはいとも簡単に捕まえているのを見る…もしかしたら子供には簡単に捕まえれる仕様なのかもしれない。
一方大人は血眼になって喜々として襲いかかり、極希に返り討ちになってたりもする。
「メリー!」
と、小吉の後ろの茂みからデフォルメされたぬいぐるみみたいな可愛いリボン付きのトナカイがひょこっと顔を出し、首をかしげてこちらの顔を見つめてきた…。
「おぉ!…おいでー怖くないよー」
「メリー?」
トナカイがてくてくと歩み寄ってきて、差し出した手に頭をすりすりとこすりつけてきたのでいつも通り頭を撫でてあげる…すると今度は嬉しそうにお腹を見せてきたのでお腹を撫でて和む。
「あははは!まるで犬みたいだな!」
「メリー!?」
トナカイ君はいきなり何かに驚いて元いた茂みに凄い勢いで逃げていってしまう。
「おい!どこにいくーー」
ボスンッ!!
不意に横から人の頭位ある雪玉が飛んできて横顔に命中…本日2度目の冷たい感触と邪魔をされた事にイラッときた…。
「あははは!!小吉さーん!お久し振りでーす!そんなとこにいないで遊びましょうよ!」
「そうだぞ!若造!遊んでなんぼじゃ!」
「うーん…私は"庭"でのんびりしていたかったんだが…」
「いいじゃないですか!ダスターも偶には運動しないと!」
何処からとも無く現れたアホ神クロトとその配下の神々が総出で遊びに?来ていた…。
背の高いそこそこの体つきの爺さんは前に助けた兎のアルフレッドで、背の低い青髪の幼女は恐らくイルンだと思われる。
「お〜ま〜え〜か〜!!!」
近くにあった木を引っこ抜いて振り回し、上に積もっていた大量の雪をクロトにブチ撒ける…他の神達は咄嗟に避けるがクロトだけなぜかまともにそれを受けた。
「うっひょー!?寒いー!!小吉さーん、それは宣戦布告と取りましたよ!!」
「クロト様ー!頑張れー!」
「イルンがクロト様なら私は小吉君を応援しようか」
「ワシも小吉殿じゃ!こらー!もっと投げるのじゃー!!おらー!〇せー!!」
「アルフレッド…もう少し言葉を選んで…」
一方クロトと小吉は目にも止まらない速さで雪玉を作り投げる殺人雪合戦を繰り広げていた…一発一発が尋常じゃない速さで飛んできては木に穴を穿つ…。
時々相手の投げた玉を掴んで相手に投げ返す辺りもう他人が入る余地はない…。
「うわぁ〜…何かえげつないことしてるねぇ…」
「「「!?」」」
ダスター達が驚いて振り向く…そこには誰一人として探知出来なかったルルーンが浮いていて、呆れた態度をとっていた…。
「あ。安心して、あたしは小吉達の家庭教師だから」
「…もしかして貴女ーー」
「イルン、今日はクリスマスよ?楽しまなきゃ!そもそもあんた達と事を交えるつもりもないし」
「なるほどな…お主は中々に面白い。確かに!楽しまなくてはな!」
「はぁ…敵じゃなくて良かったです…」
「言っとくけど、余計な事言ったら本当に消すからね…」
ゾッとする様な真っ黒なオーラを立ち上らせてドスの効いた声でルルーンが語りかけると三人は更に驚いた表情になった…。
…と思ったらすぐに元のルルーンに戻り改めて状況を見ていた。
「小吉!負けたら承知しないからね!!」
「そ、そうじゃぞ!クロト様も負けてはならんが小吉殿も負けるでないぞぉ!!」
「アルフレッド…それ勝負の意味無いのでは?」
「きゃー!クロト様カッコイイです!!」
その後しばらく殺人雪合戦が続いたが、結局小吉の魔力が支障をきたすレベルまで無くなった為引き分けとなった…。
2人とも頬や腕に痣やら傷やら出来ていたがルルーンとイルンによって一発で治療されるのであった。
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若干日が暮れ始めた…しかしまだまだ周りは騒がしいままだ。
「ライアー!そっち行きましたわよ!」
「援護は任せて!」
「任せろ!」
プレゼントの箱に手足が生えたような魔物がぴょんぴょん跳ねているのを女性陣が取り囲み戦っていた。
バスバスバス!!!
「フォ!?」
次々とプレゼントモンスターの周りに矢が突き立てられ、そこから魔力の糸が伸びて格子状に張り巡らされる…だが上が開いている為、魔物がジャンプして逃れようとした。
「ふぉー」
「甘い!!」
ババババーン!!!
しかしそれは罠で、突如飛来した極太の雷にプレゼントモンスターが焼かれる…雷の中からはスパークを起こした槍を持ったライアーがごく自然な感じで歩いてきてポフッ!っと消えた魔物の後からカプセルを取り出す。
「凄いよライアー!何時の間にそんなに強くなったの!?」
「うっ…私達も負けてはいられないですわね…」
「まぁ、ちょっと昨日…3日位…ルルーンと…」
「?」
「かなり疲れましたけど随分集まりましたわね。これでサンタさんが来る筈ですわ」
「しかしミディーヴァの分が…」
「…しょうがないよ…風邪ひいちゃったんだし…」
「他人が集めると量が5倍も要りますからねぇ…」
ミディーヴァは今小屋で寝ている筈だ…普段から薄着で生活していた事で風邪を引いたのだ…。
しかしセリスとリンネがもう既に大分疲れているのでゆっくりとしか集められないだろう。
「みーなさーん!大量ゲットです!!」
空からふわふわと10%程透明な少女、フラールが沢山のカプセルの中身を持って戻ってきた。
「他のグループから少しづつ分けてもらってきましたよ!」
「ちょっと確認しましょう……………………………駄目ね…まだ1人分と少し足りない…」
リンネが折角集めたのに…と肩を落とす。
体力が限界に近いセリスも思わずため息が漏れる。
思った以上にクリスマスモンスターが強く、思うように捕まえられないのが精神的にも身体的にも来ているのだ。
「…私のをミディーヴァに使ってもらおう」
「!?ライアー!駄目だよ…」
「私はまだまだいけるからな。セリス達はゆっくりと休んでてくれ。なーに、いざとなったら小吉を扱き使ってやるさ!」
そう言ってライアーが1人歩き始めた…。
「ちょっと!?…これ使うのは本当に最後の手段なんだからね!!」
はいはい、とでも言うようにライアーが後ろ手を降ってそれに答えていた。
…
……
………
「はぁ〜疲れた〜…」
「疲れたね〜…」
「殆どお前のせいだけどな〜…」
「クロト様、そろそろ我々もカプセルを集めましょう」
「えぇーめんどくさいー…ダスター行ってきてー」
「クロト様も行こうよ!イルンも手伝ってあげるからさー!」
「もぉ…はいはい!行けばいいんですよね!行けば!」
半ばやけくそになってクロトが立ち上がりめんどくさそうに歩いていく…。
そして疲れたので付いていくのを辞めた小吉は1人木の下でしばらく座っていた。
ガサ…
「ん?」
「わん!」
今度は白地に金色の毛が所々に生えたクリスマス仕様の仔犬が出てきて擦り寄ってきた。
「またお前か?ハンニバルがお前はハズレしか落とさないって言ってたぞ」
「わん」
小吉がその仔犬を持ち上げて自分の上に乗せて可愛がってあげていると誰かが歩いてくるのが見えた。
「此処に居たのか…探したんだぞ?」
「おぉ、ライアーか。クリスマスモンスターは可愛くて凄くいいな!」
「わん!」
「お?なんだ?くれるのか?ありがとな」
仔犬が自身の首輪に付いていたゴルフボール位の珠をくれた。
「これハズレなのか?かなり綺麗で十分当たりだと思うんだけどな…」
「わん!わん!」
「おぉ!まだくれるのか?お前は良い奴だな!よーしよしよし!」
「わふわふ!!」
「小吉、少しその珠貸してくれないか?」
「お?いいけど何に使うんだ?」
小吉が色んな色がある珠の中で黄色の珠をライアーに手渡すと、ライアーが得意顔で珠を握った。
「みんなハズレハズレって言うんだが実はこれにはこういう使い道があるんだ…」
そう言って珠を両手で包んで目を瞑った…、すると手の中から光が溢れて収まった。
「…ほら、凄いだろ?」
ドヤ顔のライアーの手の中にはライオンを模した人形が付いたキーホルダーみたいな物が乗っていた。
「おぉ…綺麗だな…こんなことも出来るんだなぁ」
「ふふ、昔ミツルに教えてもらったんだ子供の頃からの自慢のマジックだよ」
「そうだ!なぁ?わんこ?もっと出せるか?」
「わん?わん!わん!」
(もっと欲しいの?欲しいならもっと撫でて!)
「そんなんでいいのか?よし!じゃあ撫でてやるからもっと出してくれ!で、ライアーは色々作ってみてくれよ!」
「わふ!」
「いいぞ。なるほどな…プレゼントって訳か」
「察しがいいな。その通り!小吉サンタとライアーサンタからの贈り物だよ」
「わふー♥」
…
……
………
そして2人が村に戻ると面白い光景が待っていた。
「メリークリスマス!」
"メリークリスマース!"
"メリークリスマース!"
「ちゅー!!」
「みんなー!プレゼントだよー!」
キツネ形態のイナリが引くソリにリリーやノエル、シエルが乗ってプレゼントを配っていた。
同様にナノたちが引くソリにはトトーナとマニが…それに何故かピエロの恰好をさせられてるラッツまでプレゼント配りをさせられていた…。
どうやら配っているのはお菓子の様でマニから1つ貰って食べると物凄く美味しかった。
「美味いな…」
「そりゃそうですよ!私達が作ったんですから!」
「しかし凄い量だな…どれだけ取ってきたんだ?」
「ふふーん!僕達なら余裕だよ?ねぇ、お姉ちゃん!」
「そうです!私達に不可能等無いのでーす!!」
どこもかしこもみんな笑顔だった…本当に幸せそうな場所って言うのはこんな場所のことを言うのだろう。
その後もみんなでちょっと豪華な食べ物でお祭りしたり、ちょっとした芸の大会でトトーナの歌が優勝したり、風邪を引いていた筈のミディーヴァが駄々を捏ねて小屋が1つ吹き飛んだりした…。
そしてその日の夜…
「いいか?そーっとだぞ?そーっと…」
ギィ…
「こら!小吉!音を立てるな!」
みんなが寝静まった頃、色んな小屋で枕元にそっと例の可愛いアクセサリーを置いて回る2人の人影が居た。
そして配り終えた二人が外に出て戻ろうとした時…
シャンシャンャン!!
「「!?」」
「ふぉー!ふぉっふぉっふぉ!!MerryX'mas!!」
「ふぉっふぉっふぉ!」
月のせいで影しか見えなかったが、空に登る動物とソリと人影とちょっとでかいハサミみたいなのが見えた…。
「…お、おい…今の見たか?」
「しまった!?サンタさんに去年のお礼するのを忘れてた!?」
「そこ!?」
ある意味人生の中で一番楽しかったクリスマスだと小吉は嬉しそうに思うのであった。
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「主様に渡したい物があるんだけど…」
上下左右に星が散りばめられたヌルの庭でルルーンがもじもじとなんかやっていた…。
「……………どうせ"あたし"とか言うんだろ?」
「………ざーんねーん!入ってきて!」
「!?………………ライアー…」
「ルルーンの修業中に会ったぶりか?」
「……………………何の用だ?」
「一応渡しておこうと思ってな。私は小吉一筋だからお前の事は別に何とも思ってないんだが、気が向いたからあげるんだ」
と言って手渡したのは真っ黒だが光沢のある凛々しい犬のアクセサリーだ…。
「…………………」
「どうした?要らなかったか?」
「…………………いや、貰っておこう………………ありがとう」
「じゃあ、私は戻って小吉達と寝るよ。ルルーン、頼んだ」
「ほいきた!」
そしてライアーがパッと消えたので残ったのはルルーンとヌルだけになった…。
「…………………なんの入れ知恵だ?」
「ベーつにー。あたしはアクセサリーなら喜ぶって言っただけだよ」
その返答に溜息を付いたヌルは手の中のアクセサリーに目をやる。
真っ黒ながらも艶があって、とても綺麗だ。
そして取り出した箱の中にそれをしまった…。
箱の中には全く同じ形の真っ黒なアクセサリーが沢山入っていた…。
実は小吉の修業が終ったあとルルーンが仲間達に同じような修業をしていました…。
でも時間が無くてあれだったのでこんな事もあったんだなぁ、程度でお願いします(泣)




