表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『プチ』モンスターテイマー  作者: BIG PURIN
神々と封神晶
95/95

95話 お別れ騒動

「ふぅ、大分形になってきたじゃないか」


ハンニバルが大剣を地面に突き刺しもたれ掛かるとそんなことを呟いた。


「…て事は?」


「合格だ」


「よっしゃぁぁぁ!!!」


周りが着々と免許皆伝をもらう中小吉だけが他の人の1.5倍程の時間が掛かっており、これによって全員の修業が完結したと言える。


「やりましたね!ご主人様!」


「見事だったぞ!」


「全く…何で小吉君は進歩が遅いんだ?…でもまぁ、おめでとう」


結局あーだこーだ言いつつも最後まで付き合ってくれたのがマニ、ライアー、コルオだった…。

他は多分遊んでる…。


「いいか?忘れるなよ?どれだけ力を持っていてもそれが使える技術が無ければ単なる宝の持ち腐れだ。これからも精進するように!」


「おう!」


「とまぁ堅苦しい話は置いておくとして、これからどうするんだ?」


「これからかぁ…」


やはりまた封神晶を探して破壊することだろうか?

残りはいくつだ…4つだったか?


「やっぱり俺達の目的を終わらせるよ」


「そうか…アレの事か…お前も大変だな」


「ん?小吉君達の目的とは?」


「あれ?話してなかったっけ?」


「微塵も話した事は無かった筈だ」


「まぁいいか…身内に隠す事でもないしな。俺達はちょっと…ほんのちょっと偉い人の依頼でとある兵器を破壊してまわってるんだ」


「兵器?新型の魔導砲とかか?」


「違う。それ単体で世界を滅ぼせる可能性を秘めた兵器だ」


「そんなの有り得ない。一体どれだけのエネルギーが要ると思っているんだ?」


「でも実は知らないだけでそれだけのエネルギーを持ってる奴等が居るだよなぁ…」


「……分からんな」


「神様…ゴッドだよゴッド。神様自体を核に使って世界に溢れている魔力と神様自体の力を極限まで吸った爆弾みたいな物。それが完成するまでに何年もかかるんだ。それを壊して中の神様を助けるのが依頼された内容だ」


「…それは聖協会としても見過ごせないね。その兵器の特徴は?」


「外見は馬鹿に大きなクリスタルで、中に魔力消費を抑えるために動物に変身した神様が居るって感じだな。…ん?どうした?」


「いや…なんでもないよ…」


…どうやらコルオは嘘をつくのが絶望的に下手くそらしい。

目線はこちらから逸らし、目は動揺してる為か泳いでいる。


「コルオさん?どうしました?そんなにそわそわして…」


「そ、そわそわしてなんかないよ!!」


ジー…


「な、なんだ!?その目は俺が何か隠してるとでも言いたいのか!?」


「うん」

「あぁ」

「はい」

「おう」


満場一致である。


「コルオ…何か知ってるのならば話してやりなさい」


「う…ハンニバルさんまで……分かった、話すよ。多分違うとは思うんだけど、もしかしたらだけど俺達のパーティはその兵器を見た事があるかもしれない」


「何処でだ?」


「聖協会本殿の最奥…信託の間って場所…」


「それってもしかしてコルオさん達が魔王討伐の命令をされた時にあったっていうクリスタルの事ですか?」


「そう、本当に大きかったし中に何かあった…」


「ちょっと待てよ!聖協会に封神晶があってそれのお告げで行動してたって事は…」


「俺達と君達は敵って事だね。聖協会はクリスタルを絶対的な物だと信じてるからね…無論俺もだけど…」


その言葉で周りが沈黙し、冷たい風が頬を撫でる…。

誰もが最悪の事態を想像してるかもしれない。


「でも安心してほしい。俺達は君達と敵対するつもりはこれっぽっちも無い」


「はぁ〜…緊張しましたぁ〜…」


「でも分からないな…何で聖協会がそんな物を…」


「小吉、まだそのクリスタルが封神晶だと決まった訳ではないのだろう?調べてから考えればいいんじゃないのか?」


「それは俺達に任せて貰おう。君達じゃあ本殿の最奥に入る事は出来ないからね」


「確かに。リリーとかなら隠れて入れるかもしれないが俺達は無理だ」


ポケットサイズの生き物なら監視の目をやり過ごすのも簡単だろう。


「ただ本当に分からない事な…仮に小吉のいう事が本当の事だとして聖協会に何のメリットがある?」


「…あ!もしかして使われない様に保管してあるのでは!?」


「なるほどな。一理あるな」


ライアーがうんうんと頷いて納得した様子だ…しかしやはり疑問は残る。


「だがそんな危険極まりない物を他人に使われない様にするのならばするのが確実だと思うぞ。残しておくって事は後で使う可能性があるって事だろ?」


結局振り出しに戻ってしまった…。

これでは埒があかない。


「とにかくコルオ達はそのクリスタルを調べて来るって事だな?」


「あぁ」


「じゃあ俺達は別の封神晶の破壊に乗り出そう」


「ラジャー!」

「そうだな!」


「我ら氏族は村の復興に努めよう。またいつでも寄ってくれて構わない。常に最高のもてなしをしよう」


「ありがとうございます!師匠太っ腹ですね!」


「ん?太ってはいないが…」


「そういう意味じゃ…」


オッサンの天然というよく分からないシチュエーションを見た事で変な気分になったがそれぞれの進む方向が決まった。

コルオ達は明日出発との事だったので俺達をそれに合わせて出発する事にした。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


次の日の早朝、まだ霧が薄らと立ち込める村の入口にてコルオ達と小吉達をハンニバル達が見送りに出ていた。


「少し寂しくなるわね…。ライアー、次に来る時はーー」


「!?ばばば馬鹿か!?そ、そんなすぐには…」


ケイリスがライアーに耳打ちすると少し離れていてもはっきりと分かる程に耳まで真っ赤にしていて、なにやら他のゴブリンの女性陣までニヤニヤと笑っている。

一体何を吹き込まれたのだろうか?


「では、気をつけてな。我々はいつでも歓迎する」


「本当に何から何までありがとな!またいつか寄らせてもらうよ」


「師匠!私達もっともっと強くなってやります!」


「僕達絶対に師匠を超えてやりますからね!」


謎のヤル気満々のマニとイナリがハンニバルに対して宣戦布告をし始めた…。

最初は驚いていたハンニバルもすぐに普段の優しくも逞しい顔に変わる


「ふはははは!!いいだろう!やってみせろ!楽しみにしてるぞ!」




そうして別れを告げた一行の背中が見えなくなるまでゴブリン達は見送っていた。




見送った後で一人残ったハンニバルにダイゲツが近づき、やれやれとでも言いたげな顔で話しかけた。


「おいおい…あんな挑戦受けてもいいのか?あんただってわかってるだろう?あの子達にはもう勝てないって…、でもまぁハンニバルらしいがな」


「やはり気が付いていたか…。しかし!これでまた楽しみが増えたんだ!私も弟子に負けないように鍛え直しだ!わはははは!!」


「ま、まぁ頑張れ…」


「何を言っている?"お前ら"もやるのだぞ?」


その瞬間のダイゲツの顔はなんとも言えない無表情で固まっていたという…。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一方森の出口付近に着いた小吉達も別れの挨拶をしていた。


「こうしてみると本当に人数が多いよな…」


マニ達にライアー、フラール、ラッツに自分自身…それに対して足であるクルーはナノ達3羽である。


「小吉君…ハンニバル達から馬車でも貰えば良かったんじゃないか?」


「…はっ!?そうか!その手があったか!」


「でもご主人様…馬車だとさっきまで歩いてた道通れないと思いますけど…」


「……………そうだぞコルオ。君は馬鹿だなぁー、もうちょい考えなさい」


「な!?さっき君も"その手があったか!"って納得してたじゃないか!?馬鹿は君だろう!!」


「ご主人様、コルオさん!落ち着いて!」


マニが2人を止めようとあたふたしているのを尻目にセリス達が呆れながらも別れを惜しんでいた。


「本当に困ったもんだね…」


「あぁ…困ったもんだ…」


「でもパパ楽しそうだよ?トトもやるー!!」


タッタッタ、と駆け出すトトーナの首根っこを掴んで止めたリンネがトトーナを抱き上げた。


「危ないですわよ。怪我しない様に此処に居いましょ」


トトーナは頬を膨らませ文句を言おうと口を開きかけた…


「もぉー!なんで止めーー」


パクッ!!


口にクッキーを押し込まれ、強制的に口を封じられてしまう。


「お菓子があるけど?要らないなら私一人で食べちゃってもいいかしら?」


「た、食べるー!!」


((餌付け…))


ライアーとセリスはクッキーを頬張るトトーナのあまりにも幸せそうな様子を見て、顔を見合わせて笑った。






「ミディーヴァ…これあげる」


「イナリか?どうしたんだ?急に…」


「いや…前にミディーヴァの剣折っちゃったよね?だけど僕の予備の刀じゃ申し訳なくて…」


そう言って差し出したのは綺麗な鞘に収まった普通よりも少し大き目な幅広の剣だ。


「普段普通の剣は作らないから出来はあまり良くないけど…」


ミディーヴァがそれを受け取り鞘から少し引き抜くと綺麗な赤い刀身が見え熱気が辺りに放たれる。

更に引き抜くと炎が立ち上り、炎が子狐の形に変わり首を傾げる。


「これは…面白いな…。ふふ、この子もイナリに似ていて可愛いな。ありがとう、大切に使わせてもらう」


内心ドキドキしていたイナリの顔がすっきりとした笑顔に変わり、とても嬉しそうに耳と尻尾が動き出す。

ミディーヴァもその姿を見て笑顔に変わる。


「次会う時までにはもっと練習してもっと良いのに鍛え直してあげるよ!」


「はは!可愛くて強くて料理も出来るなんてイナリは反則だな。どうだ?私達と一緒に来ないか?」


「楽しそうではありますけどご主人様の下を離れるのは嫌だよ…」


「ふふ…更に従順か…、本当にお前はいい奴だな…」






「「「クエ?」」」


「チュー!」


"ぶー"

"ぶー"


「ん?あぁ、そうだな…暇だよなぁ…」


「ラッツさん動物の言葉分かるんですか?」


「いや…分からなくてもこれ見れば分かるだろ…」


フラールはラッツの指差す方向をみる…、ナノ達、リリー、ノエル&シエルが地面に寝っ転がってゴロゴロと遊んでいる…。

微妙にやる気なさげな顔を見ているとこっちまでやる気が無くなっていく…。


ドカーン!!


「うわっ!?…旦那達かぁ…本当に懲りないよなぁ…」


「ですねぇー…ちょっとアラ君にでも止めてきてもらいましょうか?」


「そうだなぁ…早く止めないとこの辺の地図書き換えないといけなくなるからな」


と言ってる最中にもあちこちで土砂が巻き上がったり、竜巻で地面が抉れたりしている…ちょっといつもよりも酷い感じだ。


パチパチ…


「ん?」


後ろで変な音が聞こえた上、何か煙臭い…。

ラッツとフラールが恐る恐る振り返ると森に火がついて燃え始めていた…。

恐らくコルオの魔術が被弾したと思われる。


「うわぁー…これやばいですよね?…サモンドール!ウンディーネ!あれを消して下さい!」


ウンディーネが慌てて飛んでいって消化活動を始める…しかしそれだけでは心許ない位に火の勢いが強い…。


「おい!シロクロ!お前達も手伝ってくれ!」


"仕方ないね"


"そうだね"


"むむむむ……"

"むむむむ……"


シエルとノエルの角が淡く光だし、2匹の地面が揺れて小石が浮かび上がる…。


「ちょ…ちょっとやりすぎじゃないのか?もっと抑えた方が…」


"ダイダルウェーブ!!"

"ダイダルウェーブ!!"


ラッツの冷や汗と心配を余所に2匹の戦術レベルの想像魔術が放たれた…。

地面から水が吹き上がる様にして大きな波を形成し、それが森へと覆い被さる。

一部の木が倒れはしたが恐らく鎮火しただろう…。

足元まで跳ね返った水が押し寄せて来たのでリリーを確保してナノに乗っておく。


「お前らやり過ぎだぁ!!!」


バシッ!パシッ!


"あで!?"


"いた!?"


頭をすりすりと摩する2匹を余所に小吉達を見るとどうやら向こうも終わったらしく、ライアーとセリスとリンネに元凶2人が正座させられ怒られていた。


「小吉さんたちに平和って言葉は無いんですかね?」


「全くだ…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ