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『プチ』モンスターテイマー  作者: BIG PURIN
神々と封神晶
85/95

85話 やってきた悪役

突発的にこの世界に"ゴールド"と呼ばれるお金の単位が現れた!!


そもそもプロットが無い辺り察して下さいm(_ _)m

プロットが無いと言いつつも訳の分からない設定がある場合もあったりします…恐ろしいね。


祭りから大体1週間が経ったある日の事である。

森の中を3人の男が歩いていた。


「はぁはぁ…待ってくださいウッソの兄貴…」


「そうっすよ…なんでそんなに元気なんですか?」


「あ?お前らの体力が無さすぎるだけなんだよ!男ならシャキっとしろよ、シャキっと!」


「はぁはぁ…シャキ!ってなんです?」


「知らん!偉い人に聞け!」


「理不尽っすね…」


安物装備から卒業したような鋼鉄材料が使われた防具と背中には以前から使っているロングソードとそれより何倍も大きな一際目立つ大剣を持った盗賊風の男…以前小吉とライアーを奈落に突き落とした張本人であるウッソが如何にも小物臭漂う手下2人を連れて森の中を歩いている。


「兄貴ぃ…本当に魔王退治なんてやるんですか?やばいですよぉ…」


「そうっすよ…命あっての盗賊稼業なんすから…」


「安心しろ!俺の仕入れた確かな情報によると魔王は片腕らしいからな!余裕だ余裕!」


わはははと笑うウッソのポケットから数週間前の新聞がはみ出ていたが出来る手下はそれを見て見ぬふりをする…。


「魔王を倒したら金がガッポリだぞ!その為に今回コツコツ貯めた金を崩してこの封魔の大剣を買ったんだぞ、今更引き下がれるかってんだ」


「そ、それはそうですけどぉ…」


ガサガサ…


「「あひぃっ!?」」


「おおお落ち着け!落ち着いて剣を構えるんだ!」


ウッソが大剣を背中から取り出し構える…まるで重さを感じない慣れた手付きで構える辺り中堅冒険者としての風貌が伺える。

手下も慌てて剣を構えるがへっぴり腰である。


ガサガサ…


「にゃーお」


「はぁ…なんだ猫かよ…驚かせんじゃねぇよ!!」


「にゃ!?」


ウッソの怒声に驚いたのか猫が足元をすり抜けて出てきた方と反対側に逃げていった…。


(ん?なんで兄貴の方に逃げたんだ?)


ガサガサ…


「あ?また猫か?おいでー猫ちゅわーん。皮を剥いで上質なカーペットにしてあげまちゅよー」


「駄目ですよ兄貴…猫は高く売れるんですから…」


「んなこたぁ知ってるわ!!…おいでー猫ちゅわーん」


ガサガサ…


ウッソが茂みに向かって手を伸ばしている。

後ろの2人も金が手に入ると妄想を膨らませていた。


しかし現実は非情である…


ガサガサ…

シャキン!シャキン!シャキン!


「ふぉっふぉっふぉっ!」


「は?」


「「へ?」」


出てきたのは全長2m程もある巨大な蟹で、自慢のハサミをちょきちょきしていた…が、全体的に泥で汚れているうえ何故か左のハサミが無い…。


「「で…出たぁぁぁ!!!魔王だぁぁぁ!!!」」

「ぎゃぁぁぁ!!?」


「ふぉっふぉっふぉっ!」


蟹は目の前の3人が自分を恐れているのに気が付いて少し上機嫌だ。


ジャキン!ジャキン!


「「「うわぁぁぁ!?」」」


最初の一撃は咄嗟にしゃがんだ事で奇跡的に回避でき、そのまま後に後退していく…。


ドンッ!


「兄貴ぃ!!後ろに木がぁ!」


「ふぉっふぉっふぉっ!!ふぉー!!!」


嬉しそうにハサミを鳴らしながら近づいてきた蟹がハサミを振り上げて突き出したのだが…


カコンッ!!


片腕のせいでバランスがずれ、狙いが逸れたハサミが紙一重でウッソ達の髪を切り裂き、あろうことかその向こうの木を両断した…。


「ふぉ!?」


「「「…はへ?…のわぁぁぁ!!?」」」


ズドーン!!


切られて支えを失った木がこちら側に倒れてきて、慌てて3人と1匹はその場から退避する…。

3人は横に転がって避けたが蟹は木が倒れる方向に逃げてしまい下敷きになった…。


「ふぉー…」


「あれ?これもしかして…」


「あ、兄貴ぃ!!俺達生きてるっす!」


「……ふ、ふはははは!こ、これも俺の作戦のうちだ!わははは!まんまと掛かったな魔王めぇ!」


「「流石兄貴!!」」


「よーし!!そうと分かれば早速討伐の証を持って帰るぞ!勇者の凱旋じゃぁ!!」


「これ…どこが証なんでしょうね?」


「あ?そんなのハサミに決まってるだろ?」


「でも兄貴…このハサミデカイっすよ?」


木からはみ出てるハサミは肉厚で長さが1m程もある…どうみても100kgでは済まないだろう…それに…


「ふんぬー!!ふんぬぁー!!…だぁぁ!!硬い!硬過ぎる!」


「関節までガッチガチですよ…これ割れますかね?」


「脚じゃ駄目なんすかね?」


「退いてろ。俺様がこの封魔の大剣で関節をぶち壊してやる…」


一歩下がったウッソが子分を自分の後ろに下がらせて大剣を構える…。


「「やっちゃって下さい!兄貴!」」


「ぬおぉー!!ヘビースラッシュ!」






ぱきーん






「「「あ」」」


スキルを使い叩き付ける様に放った大剣が関節に吸い込まれていき…砕けた…大剣が砕けた。


カランカラン!!


近くの岩に当たった大剣の半分が虚しく音を立てて落ちた…。


「折れた…しかもハサミ取れてない…」


「でもほら!脚が1本取れましたよ!これでも大丈夫ですって!こんなデカイ脚もそうそう無いっすよ!」


「俺の財産…百万ゴールドが…」


「大丈夫ですって!この脚で報酬を貰えばもしかしたら国宝級の大剣だって夢じゃないっす!」


「………………そうだな!!よーし!そうと決まればこれをギルドに持って行くぞ!!」


ウッソが無表情から一気に明るい顔になって下卑た笑みを浮かべる。


「ぐふふふ…大剣を手に入れたら次は娼館だな…その次は…」


「ん?でも兄貴前に娼館出禁になったんじゃ…」


「じゃあ奴隷でもいい!安心しろ。お前達にもうまい蜜を用意してやる」


「「流石っす!」」


と、その時…


「カニちゃーん。どこー。早く出てこないと食べちゃうよ?」


「ふぉぁぁ!!?」


少女の声が聞こえたと思ったら木の下敷きになっていたカニが全力で暴れて無理矢理抜け出すと、ハサミを自らトカゲのように切り離してウッソの足元に置くと異常な早さで逃げていった…。


「そこー?」


ガサガサ…


「あれ?カニじゃない…。おじさん達だーれ?」


出てきたのは少女の体に鳥の脚を持った明るい色とりどりな髪が特徴のトトーナだった…。


「あ!それカニちゃんの脚!ハサミもー!なんでおじさん達が持ってるの?」


「お、俺ってそんなに年に見えるっすか?」


「いやいや!そんなことは…無いー…かなー?」


恐らく子分の方は世間一般から見たらまだまだ実年齢と同じ20代前半に見られる筈である…しかしウッソは…おじさんに見えるだろう…。


「お…おじさんって…こんのガキーー」


(待ってください!!兄貴!!)


「?」


(か、可愛いっすね…)


ウッソが大声で怒鳴ろうとした瞬間、隣に居た優秀な子分がウッソの口を抑えて小声で話しかける。

その様子を見てトトーナが首を傾げた。


(なんなんだ!?)


(いや、確か前の街で鳥の亜人の奴隷が高額で取引されてるのを見ましてね…彼女ならこの年齢と容姿だけで数億ゴールドは値がつくかと…)


(なに!?)


(さーらーに!此処に一人で子供が居るって事は有り得ない!つまり…)


(同族が近くに居るってことか?)


(正解です!一網打尽にしてやれば…)


(一生遊んで暮らせるな…)


「トトも遊んで暮らしたーい!」


「「のわぁぁ!!!?」」


「はいはいだめっすよー。子供がこんな危ない所にいちゃあ…。家族は?」


((ナイス!!))


子分1とウッソが親指を立てて子分2のファインプレーを賛賞する。


「んーー…多分あっちー」


少し間があったが指で方向を指し示した。

だがトトーナが来た方向とは真反対だ…。


「よーし!そっちか!ならおじさん達がお嬢ちゃんを守ってやろう!」


「トトお姫様ー!!?」


「そうっす!お姫様っすよー。さぁさお姫様、俺が肩車してあげるっす!」


「わーい!」


(役得っすね!…あっ羽毛がふわふわだぁ〜…)


((このロリコンめ…))


「で、あっちでいいんすよね?お姫様?」


「違うよ、あっちだよ!」


さっき示した方向を向いて右を指さしている…。

その瞬間子分2は確信した。


(あっ…方向音痴だ…)

子分の名前が決まって無いのよね…(投稿時点)

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