74話 研究施設-1
上手く纏まらなくて遅くなってしまいました…。
しかも量が少ないです…orz
通路の先に進んだ2人はついに扉を見つけることができた。
「この辺は新しそうだな」
ガチャ…
割とスムーズに開いて逆に拍子抜けした。
今までの場所から想像がつかない程に軽かった。
「なんだ此処?」
扉の向こうはかなり整備されている通路で、壁や床は隙間無くタイルが敷き詰めてあり、まるで研究施設の様な印象で不気味だ…。
「おい見ろよこれ、"この先殺人ゴキブリに注意"だってさ」
扉の通路側にはゴミ捨て場という張り紙と注意書きが貼ってあった。
「なんかムカつくな…あの成金デブと細い奴に一発入れなきゃ気が済まないな…」
「俺もだよ。それにリンネ達も心配しているかもしれない…」
「ここまで来たら後少しで戻れるだろ。早く行ってぶっとばそうぜ」
やる気十分!!と2人は気合を入れて歩き出した。
「しかしこれまた陰気臭い場所だな」
「まぁそうだな。薄暗いしじめじめしてる」
「一体なんの目的で作られたんだろうな?」
「こんな地下だしな…、何かを隔離しているのか?でもそれよりは出口を見つけないとな」
「おっ?ドアがあるぞ!開けてみようぜ!」
「ちょっと!小吉君!少しは警戒してくれよ!」
だが小吉はお構いなしにドアを開ける。
ガチャ…
中は通路よりも更に暗く、小吉は自分の出した小さな明かりで中をほんのり照らす。
「……………」
部屋の中には用途の分からない大きな円柱のガラス管があり、中ではよく分からない肉塊や生き物っぽい何かが液体に浸かっている…。
ギョロリ…
「……………」
そのうちの犬のような何かがこちらを睨みつけてきた…。
そしてそっと扉をしめた。
「おい!俺にも中を見せろよ!」
「やめとけ!やめとけ!此処に階段は無かった!!」
「でも手掛かりがあるかもーー」
「無いから!絶対に無いから!早く行くぞ!」
そして小吉はスタスタと歩いていってしまう…。
(一体何が…?)
ガチャ…
ギョロリ…
パタン…
「ちょっとまってくれ!置いていくなぁ!!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ゴブリン達の洞窟や建物がある拠点から少し離れた森の中では偵察に向かっていたそれぞれのチームが戻ってきており作戦会議を始めていた。
「ご主人様とコルオさん遅いですね…もうとっくに集合時間は過ぎてますよ…」
「小吉は時間だけはしっかり守るはずなんだがな…」
「僕とミディーヴァさんのチームはみてないですよ」
「それはわたくしとフラールさんのチームでも一緒ですわ」
「そ、そういえばコルオさんって方向音痴だったよね、リンネ…?」
「そんなことは無いですわよセリス!コルオさんにそんな欠点は…無いですわ…多分…きっと…」
「いや、コルオは方向音痴だぞリンネ。忘れたのか?コルオ一人で出掛けて戻ってこなかった時必死になって探した結果街の外に居たことを…」
「そ、そんな事もありましたわね…」
勇者一行の女性3人は苦笑いをするしか無かった…。
「それは酷いですね…。でもご主人様も居ますし大丈夫ですよ!」
「そうだよ!パパとコルオお兄ちゃんはずっと大きな声出してたし仲いいから大丈夫だよ!」
トトーナが目を輝かせながら言うが…
((((やっぱり不安だ…))))
小吉とコルオが犬猿の仲だった事を思い出しかなり不安になる結果になった。
「と、とりあえずご主人様達の事は置いておきましょう!そっちも心配ですが同じ位心配な事を僕達のチームは聞いたんです…」
「あぁ、もしかしたら魔王よりもやばい可能性がある」
その一言で場の空気が変わった。
ミディーヴァとイナリの顔は真面目そのもので全員が身構える。
「どういうこと?ミディーヴァ?」
「…どうやら司祭の強力な手駒は魔王だけでは無いらしい。もし魔王とその手駒が戦ったら恐らく魔王が負ける程に強力だとか…。しかしそれは未だ未完成で不完全だそうだ」
「でもそれももうすぐ完成するらしいんです…」
「師匠よりも強い…、それはまずいですね…」
「イナリ、その手駒とやらは何処にあるんだ?」
「地下の研究施設だそうです。僕達が聞いたのはここまでで他の情報は無いです…ごめんなさい…」
「そんなことを言ったら一緒に居た私も同じだ。そもそもイナリの幻術のお陰で情報が集めれたんだ十分だよ」
そう言いながらミディーヴァが優しい顔でイナリの頭を撫でる。
「ありがとうございます…ミディーヴァさん…」
(ライアーさん、イナリとミディーヴァさんに一体何があったんです?)
(さ、さぁ…、でも仲がいいのは良い事じゃないか…)
(セリス、あの顔って…)
(うん…ペットとじゃれてる時の顔だね…。まぁイナリちゃんも嬉しそうだから良いよね…)
当のイナリは嬉しそうに尻尾をユラユラと揺らしている。
「チュー!!チュチュ!!」
「ん?…すまん、旦那が居ないと何を言っているか分からん…。そう言えば看板はどうした?」
リリーはその手があった!と言わんばかりに手をぽんっ!と叩いてから何処からともなくミニ看板を取り出す。
"忘れてました!"
"それと何をニヤニヤしてるんですか?(ニヤニヤ)"
「看板に"ニヤニヤ"って書くな…。それにただ妻を思い出していただけだ」
ぽんぽん…
そんな事を呟いていたらモフモフした羽で慰めるように肩を唯一のオスであるピコに叩かれた。
「……………クエッ」
「何を言ってるか本当に分からん…」
"同じ男同士仲良くやろう!だそうです"
パサッ…
ピコがどこから出したのか本をラッツに渡した。
「なんだピコ?くれるのか?」
「クエっ!」
ラッツは本に視線を落とす…
「ばばば馬鹿野郎!なんでお前が俺のコレクションを持ってるんだ!?無くなったと思ったらおまえだったのか!?」
ラッツが立ち上がりピコに詰め寄る…その拍子に本が落ちてリリーに覆い被さってしまった…。
「チュ!?……チチュー!?」
(わわっ!?…何か変な臭いがする!!?)
「チュチュ!!」
そして耐えきれなくなったリリーが風の魔術で本を吹き飛ばした…。
「あ…」
「クエッ…」
「チュ…」
本は自由に空を飛ぶ事を堪能した後、狙ったかのように会議中の女性陣の真ん中に落ちていった…。
「なんですかこれ?…月刊女性盗賊ーーうわひゃぁ!!?」
「ななななんでこんなのが此処にあるんだ!!?」
「おおお落ち着いて下さいライアーさん!私はスカウトです!盗賊じゃないですから押し付けないで!!!」
「僕もいらないですからわ!!」
「なになにー?絵本?」
「「トトーナは見ちゃダメ!!」」
「みんなどけ!…フレイムカリバー!!!」
ゴオォォ!!!
ミディーヴァの放った炎の剣技で本は微塵切りにされた後塵も残らないように焼却処分された…。
「ふぅ…女性の敵は居なくなりましたわね…」
「俺の秘蔵コレクション…」
"うぅ…汚されてしまいました…"
そしてこともあろうにリリーが看板を持って女性陣に歩み寄っていく…。
ギロリ…
「…あぁ、どうしたんだ?そんなに殺気立って?ちょっとみんな、武器下ろしてくれないか?いやいや!俺は悪くねぇーー!!いやぁぁぁー!!!」




