50話 作戦前夜
記念すべき50話目です!
ですが特に何かあるわけではないです!
要は心の持ちようです!
ユリウスはイライラしながら廊下を歩いていた…。
「おい!そこのお前!さっきの放送は何だ!?それに例のスパイは見つかったのか!?」
半ば八つ当たり気味に廊下を歩いていた兵士に問いかける。
「こ、これはユリウス様!…た、只今全力で捜索をしている真っ最中であります!」
「…使えない奴らだ…今日中に探し出せ!まだ遠くには行っていない筈だ!」
「は、はい!」
「しかし何故見つからないのか…ジェックはどう思う?」
「はい。やはり内通者が居るかと…」
ジェックはモノクルの位置を直すとそう答えた。
「俺も同じ考えだ…幾つか思い当たる奴らが居る」
「私もです」
「そうか、上げてみろ」
「はい。まずは外交部門の文官達、軍事部門の兵士達、しかし兵士達は怪しいですが確率は低いかと…それと一番怪しいと思うのはーークラウス様です」
「やはりそうだな…あのガキは俺の事を目の敵にしてるからな。しかしクリントの方が驚異だったがな…」
ユリウスはクリントとの戦闘を思い出して薄らと笑った。
「あいつは面白かったなぁ!普段からコソコソと嗅ぎ回る奴を叩きのめすのは快感だったぞ!」
そうこうしてるうちに目的の場所に着いた。
やってきたのはこの都市の首長であり、国から都市に変わった今でも王族として君臨する国王の執務室である。
ユリウスはノックもせずに中へと入る。
奥の椅子には休憩にと紅茶をメイドに入れてもらっている国王が居た。
「ありがとう。君は下がっていなさい」
メイドはぺこっと頭を下げると綺麗な歩き方で部屋を出ていった。
「ユリウスか…どうした?」
国王は若干の怒気を含ませた声で話し掛ける。
第一王子を殺す事を了解していたがあまりにも無惨な殺し方をされた為に最初の時と比べ仲は悪い。
「っち!…例の兵器が完成した。城や要塞の攻略はこれ一梃で足りる。これで本格的に世界統一を進めることが出来るぞ」
(まぁ、終わった後でお前にも消えてもらうがな)
「そうか…随分と時間が掛かったな」
「ふん!…何処の馬の骨とも知れないスパイが直ぐに来るからな…まぁ、盗んだ所で魔力しか発達してこなかったこの世界の技術じゃ解析なんぞ以ての外だがな!…それとジジイ…」
急にユリウスから殺気が放たれ、国王を威圧する…。
国王は冷や汗が止まらず、1秒が1分にも感じた…。
「な、何だ?」
声を絞り出すのもやっとだ…。
「お前のもう一人の息子だけどさぁ?殺っていい?」
ユリウスは冷めきった目を国王に向ける…。
国王はその言葉とその目からの威圧で卒倒しそうになった。
しかし何とか堪えると相手の真意を確かめる。
「何故だ?理由無しで殺らせる訳にはいかんぞ!」
「第一王子と一緒さ…邪魔なんだよ」
「じゃ、邪魔だと…?なら追放でもよいではなーー」
「アイツはこの国の技術と情報を持っている。間違いなく各国が欲しがる人材だ…なら消すのが一番良い」
「貴様!これ以上は殺らせんぞ!」
「…っち!ならお前から死ぬか?」
国王は額に銃を突き付けられた…。
銃口の冷たい感触が、まるで豪雪地帯に裸で放り出された感覚に陥る。
「あ…が…が…」
恐怖から上手く言葉が出てこない…。
この時ほどこの男と組んだことを後悔した事は無いだろう。
「で、どうなんだ?」
「わ…わ…分か…った…」
ユリウスとジェックが出ていった後、国王は机にもたれて後悔の波に呑み込まれていた。
(わ、私は息子を売ったのか?自分の身可愛さに?最低だ…父親として最低だ…。何とかしなければ!彼はまだまだ幼い!この身に変えても守らねば!)
…
……
………
「作戦は以上だ。何か質問は?」
作戦はこうだ。
前提として…
①最優先はクリスタルの破壊。
ユリウスはこれを守っているらしい…そしてこれを破壊出来ればもし何らかに失敗したとしても次に確実に有利になる。
②クリスタルのある大迷宮(正確には古代遺跡)に入る為にはカードキーによるロックの解除が必要。
これにはクラウスのカードキーが必要なのと、位置の関係からクラウスとアリスが担当する事になっている。
③ロック等の監視は24時間体制。
これにより大迷宮攻略組が
小吉、ライアー、マニ、イナリ、トトーナ、リリー。
ロックの解除組が
クラウス、アリス、フラール、ラッツ。
になった。
そして作戦内容だが…まず、監視が手薄になる夜中の交代の時間にラッツが走って囮になって兵士を引き付ける。
次にフラールがクラウスとアリスを守りながら制御室へ行ってロックの解除を行う。
そして小吉達が侵入して全速力で攻略を行う。
そしてユリウスが出て来たら余程の事がない限り逃げる事。
我ながらシンプルな作戦だ!
「はいはい!旦那意見が!」
「何だ?冴えないおっさん代表…」
「ひどっ!?…まぁそれは置いといて…何で俺が囮何ですか!?スゲー恐いんですけど!」
「…だってフラールが行ったら守るやつ居ないだろ?それにお前避けるの得意だろ?」
俺は爪のサイズの小石をピッ!と弾く。
「あぶねっ!いきなり何するんですか!」
「「「「おぉ!」」」」
慌てて抗議するラッツを他所にみんなが避けた事に感心する。
感心された方も中々に居心地が良いのか照れている。
「…な?」
「ま、まぁやってやるよ!」
「ちょろいな」ボソッ…
「他に質問は?決行は明日の深夜にしようと思う!各自しっかり休んでくれ!」
…
……
………
この秘密基地はクラウスとクリントで作った場所らしい。
クリントに男のロマンだろ!と押されてクラウスが一緒に作り、途中からアリスも参加したのだとか…。
壁は綺麗に板が貼ってあり、会議室も簡易なキッチンも寝室もある。
しかしこんな大人数は想定して無かった様で俺達は簡易ベットを使っている。
そして寝っ転がってうとうとしていると声が掛かった。
「お疲れ、小吉…」
ライアーが寝っ転がる俺の横に腰掛ける。
「ライアーもお疲れさん…あいつらと話をしてこなくていいのか?」
俺はちょっと眠かったので先に寝室に来ていたのだ。
「うん…昨日居なかったから一緒にいたくて…」
顔を赤くして俯く。
思わずライアーの頭に手が伸びそうになって引っ込めた…いかんいかん、悪い癖だ…。
代わりにライアーの腰に手を回して引っ張って倒す。
「…ひゃ!?い、いきなり何をするんだ!」
あぁ…落ち着くー…。
「………あれ?…おーい…小吉?寝てしまったか…」
抜け出そうにも何か偲びなくてそのまま背中に温もりを感じながら寝っ転がっていた。
…
……
………
「さて…そろそろ寝るか…」
僕は立ち上がると寝室に向かった…そして寝室の奥の簡易ベットで抱き合って寝てる小吉さんとライアーさんを発見する…。
「………………」
「どうしたんですか?…まぁ!?」
後ろからアリスが着いてきたが、その光景を見て顔を赤くして口元を押さえている。
「あぁ、気にすんな。旦那達はいつもの事だから…それよりアリスちゃん?女の子の寝室はあっちだぞ?」
「わ、私はクラウス様の警備をと思っただけで別にあわよくば一緒に寝る何て考えていませんからね!」
「…一緒に寝るか?」
「どどどどうしてもと言うなら寝てあげても良いですよ!」
顔を赤くして挙動不審なアリスが言う…。
ラッツは頭に?が浮かんでいるクラウスを見て、こいつら苦労するなぁ…と思った。
夏休みは15日まであります!
※誤字の修正
(2014/9/1)




