46話 捕縛…
何が出るでしょうか…ワクワクが止まりません!
「上手くいきましたね…」
「だな…」
俺達は今先程現れた衛兵を逆に追っている。
衛兵達が今連行しているのは全てイナリが作り出したイミテーションだ…。
ただ全員の姿形が違う事、仕草や声も違う事、そして数が多い事でイナリも中々苦戦している。
オマケに全員に幻覚で隠蔽している。
「ご主人様…もっと効率よく動かしたいんで抱っこしてください…」
「それってする意味あるのか?」
「あります!なんやかんやあって良くなるんです!」
(本当は何にも無いけどね…)
「まぁいいか…ほら、こっちに来い」
(やったぁ!役得役得!)
イナリはホクホク顔で小吉の前に座ってナノの毛並みと小吉の腕の感覚に嬉しそうに狐耳をぴこぴこと動かす。
…
……
………
しばらく進むとほぼ砂の色と同じような比較的高さの低い建物で出来た街が見えてきた。
「立ち入り禁止の領域内に街?どういう事だ?」
見た感じはかなり寂れている様なイメージが強い。
先程の衛兵達は門に居る見張りの兵士に通してもらっていた。
そして気になるものを発見する…。
(銃!?何でそんな物が…)
兵士はいわゆるアサルトライフルの様な銃を提げており、衣服は肌の露出をかなり抑え込んだ布を巻き付けた様な服装をしていた。
(さながらゲリラだな…)
流石にあそこを通る気にはならなかったので塀を越えようと俺が先に飛び越えた時…
ビー!ビー!ビー!シンニュウシャ!シンニュウシャ!区域Cノ1ニテシンニュウシャアリ!タダチニタイショセヨ!
非常に五月蝿いサイレンが鳴り響き各場所でランプが点滅する…。
ボウヘキサドウ!
ガガガガガガガ!!
突如後ろの塀から金属の棒がせり上がるとそこからバリアが塀に沿って展開された…。
(やばい!完全にアウトだろ!?)
「小吉!?」
ライアーの悲痛な叫びが木霊する。
「逃げろ!後でそっちに向かう!」
「居たぞぉ!こっちだぁ!!」
アサルトライフルを構えた兵士が走ってきた!
ズガガガガガガ!!
大量の弾丸がばら蒔かれるが咄嗟に横跳びでの回避に成功する。
着弾した箇所は蜂の巣になりポロポロと砂を固めた壁が崩れる。
「殺すな!捕獲するぞ!」
「「「ラジャッ!!」」」
ぽすっ…。
(ん?何か砂の上に落ちたぞ?)
だが、俺はその形を見た瞬間に目をしっかり瞑って耳を抑えた。
バキャァーーン!!
目を瞑っていても太陽を直視した様な光で目を焼かれ、音の爆弾で平行感覚をやられる…。
お陰でまともに立てなくなるが、最近やっと出来るようになった"魔力を使って周りを視る"事をやる…しかしまだ半径5m居ないまでしか視ることが出来ない為に全力で走っても時々ぶつかる。
聴力がゆっくりと戻ってくる…やたらと抵抗のステータスが高い恩恵だろうが、それでも此処まで長いと他の仲間じゃ厳しいだろう。
「おい!?あいつ"音"を食らっても走ってやがるぞ!?」
「狼狽えるな!それでも奴はフラフラだ!足を撃て!」
「「「ラジャッ!!」」」
ジャキッ…。
(…来る!!)
ズガガガガガガ!
再び咄嗟に物陰に隠れるも足に1発被弾した…。
「うぐっ!?…この威力…マヤの装備が無かったら足が無くなってたな…」
ブーツの上からでもかなりの衝撃で恐らく骨にヒビが入ったであろう…。
「くっそいてぇな…」
俺は身体強化を足と目に集中的に掛けると鞭と剣を構えて転がり出た。
「ほう…やる気か?馬鹿だな!この魔道具さえあればどんな魔物であろうと倒せるのだぞ!無論、ランクSもな…」
「はっ!多分それを何挺も持ってきても俺の仲間は倒せないと思うぞ?」
「ふん!いきがって居られるのも今のうちだ!やれ!一斉掃射!!!」
「「「はっ!一斉掃射開始!!」」」
ズガガガガガガ!!
俺は目と脳に身体強化を更に施す…世界が急激に遅くなり弾が空気を裂いて飛んで来るのが分かる。
そして最小限の動きで弾を剣で弾き、一瞬の隙をついて鞭を飛ばす。
鞭は意思を持ったように弾を弾きながら一挺の銃を取り上げ剣で叩き斬る…それを繰り返して全ての銃を壊すのに約2秒…。
「さて、これでもうお終いだな。とゆうわけで逃げまーす!」
「掛かったな!やれ!」
突如頭上から日光を遮って人影が降ってくる…人影は剣を振りかざして迫るが距離が少し遠い。
「馬鹿め!下だ!」
ボシュッ!!
足元からネットで覆われ吊るされる。
(こんなもの!剣で切れる!)
「ポチっとな!あはははは!!」
隊長格が手元のボタンを押すとネットに電撃が走り身を焼かれる…。
「あぁぁああぁ!!!?」
しばらくして動かなくなった小吉を隊長格が降ろすと錠を填めて連行した…。
…
……
………
「!?」
「どうしました?ライアーさん?」
ライアーが突如ビクッ!っとして横に座っていたフラールが驚く。
「いや、何か嫌な予感がしてな…気の所為だといいんだが…」
「大丈夫です!ご主人様も強いんですから!正面から戦えば負ける事は無いですよ!」
「そうですよ!ラッツさんならまだしも小吉さんなら切り抜けてきますよ!それにリリーちゃんも居ますし大丈夫ですよ!」
「おい…今さらっと酷い事言ったよな?」
「ん?リリーなら此処で寝てるけど…」
イナリが手を差し出すとリリーが丸くなって寝ていた…。
中々の愛らしさにみんながほっこりしているとトトーナが起きてきた。
「あれ?此処は?…パパは何処?」
何も知らないトトーナが爆弾を投下する…みんながなるべくその話をしまいと避けていたのだ。
かれこれ3時間位が経過しようとしている。
日が沈みかけてロマンチックな光景ではあるが空気が重い。
「やっぱり探しに行くのが…」
泣きそうなライアーがポツリと呟いた…。
「落ち着いてください、ライアーさん…明日の朝まで待ちましょう。あの兵士さん達の様子だと基本的に捕縛すると思いますからきっと大丈夫ですよ」
「あぁ…ありがとう…すまないが私は先に寝るよ…」
ライアーはマニが作った岩のテントに入ると眠りについた。
普段は小吉が居るので薄い明かりをつけたまま寝るので癖で気がついたら明かりを薄くしていた。
「ふふ…帰ってきたらお仕置きだな…」
その事だけでかなり精神に来ていたのでこれでは駄目だとポジティブに行こうと気持ちを切り替えて眠りに就いた。
…
……
………
「駄目ですねぇ…ライアーさん泣いてました…」
マニがとことこと戻ってきた。
「そうか…しかし旦那が捕まったとは考えにくいよなぁ…」
「あの…僕心当たりがあります…」
「私もあります…」
マニとイナリが顔を見合わせる…恐らく言いたい事は一緒なのであろう。
「「"銃火器"についてです」」
小吉の記憶をある程度持っている2人は銃について説明をする。
「それとさっき逃げてる時に背後から爆音がしたと思うんですけど、もしかしたら手榴とかの類も考えられます…」
「なるほどな…それは怖いな。しかしそれは旦那でも危ない物なのか?」
「凄く危険です…頭に当たりでもしたら流石にやばいです…」
「…ちょっと僕偵察に行ってくる…。多分捕まったと思うから明日までにやれる事はやろうと思うんだ…」
「確かにそうですね!じゃあ、イナリちゃん!私もついていきます!」
「私は此処に残って警戒しておきますね!」
「分かった。頼んだよ、お姉ちゃん!」
そうして別々に行動を開始した。
the救出大作戦です!




