45話 砂漠
今回から新しい舞台でのお話になります!
「ねぇ…本当に行っちゃうの?」
翌日、俺達が出発するとの事でエレノア達とアカネ達が見送りに出ている。
「うん…パパ達にはどうしてもやらないといけない事があるの…」
「…また会える?」
「…会えるよ!絶対に会いに来るから!」
「うん!楽しみにしてるね!」
「兄ちゃん、やらないといけない事って何だ?」
「ん?そうだな…偉い人に泣きつかれたんだよ…」
あながち嘘でもないだろう…。
「すげぇー!!俺も頑張って強くなるよ!兄ちゃん何か直ぐに追い越してやるからな!」
「おう!頑張れよ!」
「ふっふっふ…師匠は楽しみにしておるぞ!」
「お前の本体は遊んでただろが…」
そして、ちょっと離れた所ではライアーにエレノアが話しかけていた。
「ライアーさん!私…絶対に諦めませんから!!」
「?…あ、あぁ…頑張ってくれ…」
ライアーはエレノアのあまりの迫力に押されてそういう他無かった…。
「イナリちゃん、リリーちゃん…無事でね…」
「はい!大丈夫です!ちゃんと戻ってきます!」
(みんな強いから大丈夫ですよ!)
「それと…最後にちょっといいかしら?」
「?…何がでーーひゃ!?」
(わわっ!?……っと)
いきなりイナリにソニアが抱きついた…。
イナリはびっくりしてリリーを落としてしまうが、リリーは猫みたいに綺麗に着地して難を逃れた。
(可愛い…それにいい匂いがする…)
地味にやばい方向に目覚めかけているが、そんな事を微塵も考えていなかったイナリは寂しいだけだよね…っと放置した。
手持ち無沙汰になったリリーはバイエルとラッツと話しているフラールに拾ってもらった。
「また来た時は是非色々と話しましょう!その時はいい酒を用意しておきます!」
「おぉ!それは楽しみだな!じゃあ土産話を沢山作っておくよ!」
「あらあら、リリーちゃん?イナリちゃんはどうしーー…あれは居心地悪くなりますよね」
みんなが思い思いに色々と話しをしていて大体ケリがついたのを見計らって声を掛ける。
「よし!そろそろ行くぞ!」
最後にそのうち戻って来ると告げて、俺とライアーとリリーがナノに、フラールとトトーナがマイに、マニとイナリとラッツがピコに、乗って出発する。
その背中が見えなくなるまで後ろ姿を残った仲間は見つめていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
城塞都市ワルゴを出発して4日目、マニに1番近い封神晶を目指して方向を聞きながら驚異的なスピードで飛ばして行くと砂漠に差し掛かった。
ワルゴに向かっていた時よりも更に速く長く走れる様になっていたナノ達も流石にへばってきたので休憩する事になった。
「うぅ…ご主人様ー…溶けそうですぅ…」
マニが俺の頭の上で本当に溶けながら呟いた…。
お陰で溶けた下半身がでろ〜っと顔に垂れてくる…冷たくて気持ちいいが非常に鬱陶しい。
「それわざとだろ?前が見づらいから止めてくれ…」
「は〜い…」
にゅるにゅるにゅる…
ゆっくりと逆再生みたいに戻っていく様をライアーが変な物を見る様な目で見ていた。
「下半身だけ溶けていくのは見ていて怖いな…」
「お姉ちゃん…氷ちょうだ〜い…」
同じくへばっているイナリがマニに助けを求める…。
「わかりましたぁ〜……は〜い…」
大分やる気のないトーンで氷が生み出されたが、その場所が不味かった…。
「はひゃぁ!?!?やぁーー!?つべたーーい!?」
いきなり飛び上がったイナリにみんなが驚く…。
「も、もう!!何で服の中に出すの!僕の下着までびちゃびちゃだよ!」
「あははは…ごめーん…手がすべったぁ…」
「楽しそうですね!私もやりたいです!」
「嬢ちゃん…やめときな…熱くなるだけだ…」
「えっ!?氷って熱いんですか!?」
「ちがーう!!暴れた分だけ熱くてなるって事だ…てか何でそんなに元気なんだよ?暑くないのか?」
「うーん…暑いんですか?いつもと変わらない気がするんですが…」
「ナニソレウラヤマシイ…」
俺はマニが作った即席プールにみっちりと浸かっているナノ達を見て癒されながら呟いた。
「ぱ…パパ…熱いし気持ち悪くなってきた…氷ちょうだ…い…」
ぱたっ…
「おい!しっかりしろ!マニ!デカイ氷出せ!今すぐに!ライアー!荷物に帽子が幾つかあったからそれを濡らしてみんなに配ってくれ!」
「は、はい!」
「分かった!」
倒れてしまったトトーナをゆっくりと冷やしていく…。
しばらくすると寝苦しそうな表情で眠り始めた。
「ご主人様、熱中症ですかね?」
「多分な…みんな!なるべく水を飲んでおけーー」
ドォォン!!
突如後ろの方に砂の塔が幾つか立ち上がった!
そして砂がさらさらと落ちて中のモノが姿を現す…。
出てきたのは直径2m、地上に出てる分だけで長さ15mはある巨大な大口を開けたイモムシだった…。
名前は…サンドイーター…納得だ!
「気持ち悪!!」
そして先頭の一匹がトトーナに向かって突っ込んだ…しかしここに居るのは一騎当千のマスコット達ばかりだ。
「ストライク!」
大量の砂煙を巻き上げて離れた所からマニが高速で突っ込む。
先端を丸くして回転を加え、貫通する事よりも"殴る"様な感覚で体当たりをかました
…地上に出てていた首が吹き飛び粘液が飛び散る。
他のサンドイーターは危険を察知して砂の中に潜り込んだ…。
辺りを静寂が包み込む…。
どう考えても下から来るな。
ドォォン!!
ライアーを狙って足元からサンドイーターが飛び出した!
しかしライアーはライオネルに掴まって瞬時に避け、距離を取ると精霊武具の槍を投擲する。
「でやぁぁ!!」
まるで斜め上に雷が落ちた様な光景と共に着弾部分が炭化して、全身から煙を吹き上げ倒れる。
ドドドォォン!!
次にイナリとフラールとラッツを攻撃してきたが、それぞれ上手く躱した。
ラッツはスキルを使ってもやばそうなので何時でも援護出来る様に構える。
イナリは出てきた瞬間に狐火を纏わせた愛刀を分身して斬っていく。
綺麗に輪切りにされたサンドイーターがぼとぼとと落ちてきた…。
一方ラッツは…
「うわぁ!?危ねぇ!…舐めるなよ!エッジラッシュ!」
ラッツがちゃっかり貰っていた"マヤ印の普通の剣"が存分に威力を発揮してスパスパと斬っていく。
トドメを指すには至らなかったが恐らく致命傷であろう。
「サモンドール!…アラ君!やっちゃって!」
「きゅーー!!」
アラ君が高速でサンドイーターに接近し、魔法陣を展開し、そこから出た魔力の弾丸で弾幕を貼りながら何とレーザーを打って、終いには何かを投げてフラールの下に隠れた…。
ズドォォーン!!!
キラキラと色とりどりの火花が飛び散るが、爆心地に居たサンドイーターは跡形もなく消滅し、衝撃波と音の爆弾がみんなに襲いかかる…。
「「「ーー!?」」」
「のわぁーー!?」
「っ!?」
ライアーとイナリとマニは耳を塞ぎ、ラッツは衝撃で吹き飛んだので鞭を使ってキャッチする。
そして音に驚いて飛び出してきた他のサンドイーター達だ…。
何とも無いのは遠くに逃げてるトトーナを乗せたナノ達とフラールだけだ。
「わぁ!綺麗な花火ですねぇ!」
「アホかぁ!!そんな兵器間違っても迷宮内の洞窟で使うなよ!」
アラ君もびっくりした様で首を何度も上下に降ってわかった事を伝えてくる…。
飛び出てきたサンドイーターにトドメを刺しながらあのアラ君はマヤが作った事を思い出した…。
…
……
………
「やはりこの装備は動きやすいな」
「確かにな…前より軽いし動きを阻害しない…」
「僕の刀も前より切れるよ!」
(((いや、お前の刀は前から何でも切ってただろ…)))
等と戦闘した結果各々感じた事を述べて居ると…
「貴様ら!止まれ!ここは立ち入り禁止領域だ!大人しく連行されてもらおうか!」
何かピカピカした衣服に身を包んだ衛兵っぽい人達に囲まれていた…。
「おいおい…しっかりしてくれよ…レーダー…」
ぽんっ!っとラッツの肩を叩いて呟く。
「いや…普段なら分かるはずだが分からなかった…恐らく何らかの隠蔽系のスキルか装備持ちだ…」
「えぇ…そこは力技で何とかしてくれよぉ…」
「俺は旦那達みたいに強い訳じゃないから無理だよ!」
はぁ…とついついため息が出てしまう小吉であった…。
作者「う、腕と足が筋肉痛何です…許してください…」
マニ「痛い所が増えると痛く無くなりますよ!」
※誤字、脱字の改善
(2014/8/28)




