41話 城にて-2
残酷な描写やイヤらしい描写等が出てきますのでご注意下さい…。
現在、リリーは小吉が寝ている部屋に全力で走っている…しかし体が小さいのでそんなに早くは戻れない…。
(あぁ!もう!こんな大変な時位ご主人様達みたいな体になれたらいいのに!!)
(待ってくれ!早すぎるって!どんだけ速いんだよ!)
(知らないです!貴方が遅いんです!)
(ハァハァ…何でそんなに怒ってんの?)
(知りません!!)
自分でも知らない内にかなり焦っている様だ…小吉と別れて30分。ライアー達と別れてから1時間経っている。
(急がないと!)
しばらく走り続けてようやく辿りついた…しかし扉が閉まっていた…。
(何で閉まってるのよ!?少し開けといたのに!)
(この部屋に入りたいのか!?ならこっちだ!ついて来てくれ!)
ネズミ♂の後をついていく…。
(そう言えば貴方の名前聞いてなかったわね…ごめんなさい…私はリリーよ)
(ほう!リリーちゃんな!謝らなくていいぞ。ちなみに俺の名前は無いから…)
(そうなの?でも不便ね…)
(なら好きな呼び方で呼んでくれ!)
(ならネズ君とでも呼ぼうかしら?)
(安直過ぎるだろ!……こっちだ。この穴から天井に行って中に入れる!)
中に入ると上に穴が伸びており、瓶を背負ったリリーじゃキツかった…。
それに時々引っかかってイライラするのだ。
(ハァハァ…重い…)
(これを掴め!)
シュルシュル…
先に上に登ったネズ君が紐を銜えて上で待っていた。
(ありがとうございます!)
数分後、すぐに上がる事が出来た…。
だが中に入ると小吉の姿が無かった…。
(!?…何で居ないの!?)
机の上には例の解毒剤とパンが残されているだけで肝心の人物の姿が無かった…。
(だけど匂いは残ってるだろ?)
(そうか!匂いを辿れば…)
リリーはネズ君に体をきれいにする魔術を掛けると瓶に粉を混ぜて貰った。
すると入れて溶けた所から仄かな光が上がった。
(よし!行きましょ!)
…
……
………
しばらく辿って行くと地下に向かって行った。
そして例の首長の声が聞こえた…。
ドスッ!ゴスッ!
「ちっ!起きないか…全く、この男のせいで金の入手手段が減ってしまったではないか。最大限の屈辱を与えて殺してやる…まずは貴様の娘で遊んで来るとするか…」
コッコッコッ…
(やばい!来た!?)
さっと曲がり角に身を潜めると息を潜めた…。
瓶から光がうっすら漏れているので隠すのに必死だ。
(何よこれ!?凄く不便じゃない!勝手に光らないでよね!)
(光る薬って見ると大抵人間が大事にしてるんだけどな…)
「ん?…何だ?ネズミが居るのか?全く…その内に一掃せねばな」
コッコッコッ…
((ふぅ…))
ようやく去ってくれて安堵の息を漏らす。
さっき話していた内容的に小吉はすぐそこにいるのだろう…。
(あいつ臭いな…何を食べてるんだ?)
(そんな奴にマニ達を自由にはさせないわ!行くわよ!)
先に進むと牢の中に小吉が転がって居た…。
ご丁寧に手と足に変な枷が嵌っていた。
リリーはネズ君と協力して瓶の中身をゆっくりと飲ませていく…。
直ぐに効果が現れ、2分位で目を覚ました。
「ん…何だ…ここ?床冷たいな…」
(ご主人様!起きてください!大変です!ライアーさん達が危ないんです!)
「リリー!?何だ?その瓶は?それに危ないって…」
(早くして下さい!あの首長に何されるか分かりませんよ!)
リリーから尋常じゃない焦りを感じたので小吉は枷を外しに掛かった…。
「…何だこれ…魔力が使えないんだが…まぁいいや…………ふんっ!」
バキャン!カランカラン…
小吉は単純な力だけで金属の枷を外した…。
(何だよこの人間…力あり過ぎだろ…?)
(ご主人様達は色々あるんです!行きましょう!)
リリーとネズ君は胸ポケットに入る…。
かなりパンパンになっていている。
てか、1匹増えてるのは何で!?
「現地妻ならぬ現地夫的なやつか?中々のプレイボーイだな…いや、プレイガールか?」
(馬鹿な事言ってないで早く行きますよ!)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「いやはや!絶景だな!」
白いバスローブを纏ったドン・ヨークが椅子に座りながら喋る。
ベッドには裸のライアー達が横たえられて居た…。
横に立っている2人の衛兵は何とも言えない表情で立ち尽くしている。
「…ヨーク様!やはりこれは不味いのではーー」
「黙れ!誰が喋っていいと言った!」
ガシャーン!
ヨークは手元のワイン瓶を衛兵に投げつけた…顔に当たってガラスが砕けて血と共に青色の独特な色合いのワインが床に溢れる。
「つっ!?」
「もういい!出ていけ!邪魔だ!」
衛兵はヨロヨロと外に出ていく…。
ギィ…バタン…。
「ふん!阿呆共め!大人しくしていれば美味い汁が吸えた物を!…ん?何だ…これは?」
むに…っとマニを持ち上げたドン・ヨークはまじまじと観察をする…。
「何だ…只のスライムか…いらん!」
ポイッと近くの籠に放り込む…。
「それよりもこっちだな!」
嫌らしい目でライアーとイナリとトトーナを見つめるドン・ヨーク…。
「しけた胸の奴らばかりだな…つまらん」
二へ二へと笑いながらすやすやと眠るライアー達へと手を伸ばした時…
ガタガタ!ドン…ガシャーン!
バンッ!
「ハァハァ間に合ったか…なっ!?」
いきなり飛び込んできた光景に絶句する小吉…。
そして何をしていたか理解した小吉は怒りに言葉を失う。
「な!?何故貴様が此処にいる!?外の衛兵はどうしーーぐぶっ!?」
余りに一瞬の出来事だったのでドン・ヨークは何が起こったか全く理解が出来なかった…。
小吉は殺さないギリギリのラインで腹を思いっきり殴り飛ばした。
骨が何本か折れていく感触を感じた。
ゴォン!!
城の壁の一部が崩壊して外のプールへ落ちる…。
「だー誰がーたすけーごぼごぼ…」
バシャバシャと水面を叩いて必死に沈まない様に暴れる。
しばらくすると誰かに腕を持ち上げられて引っ張られた…。
「…お前カナヅチなのか?ならもっと泳ぎな」
俺はドン・ヨークの足を折ると再び水面に叩きつけた…恐らく遠心力で右肩が外れただろう。
左腕だけで必死にもがいているのが気持ち悪くて引き上げて壁に叩きつける。
「がばぁ!?……す、すまん!この通りだ!許してくれ!」
「不利になったからって命乞いか?…考えといてやるよ」
「本当か!?金なら幾らでもやる!だからこれ以上痛くしなーー」
「"考えるだけ"な。許さねぇよ」
腹に死なない程度の蹴りを入れる…見事に吹っ飛んだドン・ヨークは城の壁を再び突き破り中に飛び込んだ。
「か…たふけて…」
「タフだな」
「おやおや?一体何事です?」
突き破った部屋から冷静なままのアルスが出てきた…。
「あるふ…たふけろ!そいふをこおせ!!」
「私は武術は得意じゃありませんし多分勝てないと思いますよ」
「やへ!!!」
ドン・ヨークから魔力が出てきてアルスが動かなくなった。
「…はい」
あるは一瞬で俺に間合いを詰めると剣を振るった…。
明らかに目がおかしい…まるで何を見ているか分からない程に真っ直ぐ前だけを見ている。
「ちっ」
避けたつもりだったが頬を浅く切られてしまった…。
(動きが鋭すぎる…)
そのままの勢いで連続で斬りかかってくるのをギリギリで躱すが薄く斬られる…。
明らかに動きが速すぎる。
(どう考えても操られてるから傷つける訳にはいかないしそもそもドン・ヨークに近づけない…)
「はははは!あるふはもほらんふえひゅだ!さっひまへのいへいはほうひた?」
(はははは!アルスは元ランクSだ!さっきまでの威勢はどうした?)
"後で覚えておけよ…"
「ひっ!?」
スキルを使って直接頭の中に語りかけると悲鳴を漏らした…ついでに下半身から湯気が立ち登っている。
(まずはアルスさんをどうにかしないとな…)
距離を離そうとしても素早く追撃してくるので距離が開かない…仕方なくナイフを使って捌くが受け流すのが精一杯である。
そして…
キンッ!
アルスがナイフを剣で弾いた…
やばい!斬られる!?
しかし…
ピタッ…
「えっ?」
剣は俺の頭で寸止めされ、コソコソと這って逃げようとしていたドン・ヨークの目の前に投げられた…。
ザンッ!
「あひゃ!?」
「私の勝ちだよ小吉君君が如何に私を傷つけない様に戦ってくれていても勝ちは勝ちだよ!はっはっはっは!!……さて、先代から受けていた最後の命令を果たしますかね…」
あまりに突然の事で頭が追いつかない…。
「ドン…お前はやり過ぎた…先代首長の命令により貴様を死刑に処す!ちゃんと指令書もある」
「し、死んだ人間の命令なんぞ無効だ!ワシは認めんぞ!!」
どうやら回復してる様でまともに話せる様になったようだ。
まぁ何度でも殴るがな…。
「…どんな指令何だ?」
「この街の首長としての責任を著しく果たさない、又はこの街の首長として著しく相応しくない場合、その罪に応じて罰を下す。という物だ…」
「し、知らん!そんな物しらーーぶ!!」
「うるさいぞ…害虫」
俺はドンの顎を蹴り砕いた。
その衝撃で気絶したようだ…。
「済まないがその辺にしてくれ…まだやる事が山積みなのでな…」
呆れた表情で見てくるがどうみてもコイツが悪いだろと思ったが口には出なかった…。
※変な文章の改善
(2014/8/28)




