38話 でーと-2
やばい位に暑いので熱中症と夏バテに注意しましょう…。
「うわぁ…ライアーさん可哀想だね…」
「凄い震えてるけど大丈夫ですかね?」
「どれだけ冷たかったのでしょうか?」
屋根の上から眺めていた3人が一同に可哀想な人を見る目でライアーを見ていた…。
「さっきの子供凄い笑ってたよ…荒んでるね」
「子供って怖いですよね!」
「エレノアさん…なんでそんなに楽しそうなのですか…?」
「ナンデモナイデス!」
小吉達は移動を始めた。
3人もそれを追いかける…しばらくすると2つは落ち着いた雰囲気の服屋に入っていった。
「ここからだと見えないね…」
「そうですね…そうだ!変装して中を確認しましょう!」
「いやいや!?バレるってマニちゃん!」
「大丈夫です!任せて下さい!」
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「そ…そんなにあの水冷たかったのか?」
「う…うん…殆ど氷水だった…多分冬に泳ぐのがマシな位だ…服についた水が冷たい…」
ライアーはぷるぷる震えながら俺の上着を握りしめている…。
「なんか好きな服買ってあげるからそれに着替えればいいさ!」
中に入ると気がついた女性の店員さんが走ってきた…。
「どどどうしたんですか!?びっしょりじゃないですか!?」
「ふ…噴水に落とされた…」
「噴水…広場のですか!?ちょっとあなた!彼女さんを殺す気ですか!?」
店員さんは俺に迫ると説教を始めてきた…。
まさかの濡れ衣!?しかも殺す気って大袈裟な…。
ライアーは店員の腕を震える手で掴むと首を振った。
「ち…違う…子供のイタズラだ…」
「……えっ!?…すすすみません!!!てっきり観光客が悪ふざけで落としたかと…とりあえずお風呂貸しますので"水"を落として来て下さい!」
店員さんはライアーを奥に案内した。
しばらくすると店員さんが戻ってきたので説明とかをする事にした。
「先程はすみませんでした…。先程イタズラって言ってましたけどそれって男の子2人ですか?」
「そうだぞ。見事な演技で事故に見せかけて来た…それとあの噴水ってなんか特別なのか?」
さっきの話し方と、この暑い中でライアーの震え方が異常だったので気になったのだ。
「そうですよ…あの噴水の水は魔術が掛かってまして異常なまでに冷たいんですよ。少し飲む程度なら大丈夫ですけど全身に浴びるのはマズイですね…」
おいおい…そんな危険な水広場に出すなよ…。
確かにあの辺りはかなり涼しかったけどな。
「噴水から出たら20分程で水の魔術は解けますけど流石に耐えれないでしょうね…」
「あのガキ共…次会ったら容赦しないぞ…」
「お、お手柔らかにお願いしますね…。それと一応聞きますがどうしてこの服屋に来たんですか?道中色々あったと思いますが…」
「あぁ…広場に居たおばちゃんがここに行けば助けてくれるだろうって教えてくれたんだ」
はっ!?とした表情になる店員…。
「それ多分母です…」
…なるほど、そう言う事だったのね…。
しばらく話しているとライアーが出てきた。
何故かタオルを1枚巻いただけの状態で出てきた…。
「ふぅ…気持ち良かったぞ、ありがとう。にしても寒かったな…死ぬかと思ったぞ」
ニコニコしながらサンダルを履いて歩いてくる…。
店員さんが気を利かせて店の入口のカーテンを瞬間的に締めてくれた。
「ふふふ服はどうした!?」
「服……////…見るなぁ!!」
急いで店の奥に駆け込んだライアー。
店員は顔を真っ赤にして突ったっている…。
「…あの人っていつもあんな感じ何ですか?」
「大体あんな感じ…」
「面白い人ですねぇ…」
「オブラートに包んでくれてありがとな…」
「ひゃう!?」
バタバタガタン…バタッ!…ドン!カランカラン!
奥から凄い音が聞こえて何かが倒れる音がした…。
「何か嫌な予感がするんだが…店員さん…君のとこの店でしょ?ちょっと見てきてよ…」
「ひ、人様の裸何て見れませんよ!あなた身内ですよね?ちょっと見てきて下さいよ…」
「よし!分かった!間をとって2人で見に行こう!」
2人で見に行くと裸のライアーがうつ伏せで倒れててその上に籠とかが倒れて掛かっていた…まるで殺害現場だ…。
…
……
………
「ウチのライアーがどうもすみませんでした…」
「どうせこの時間は店開けててもそんなに入って来ないんで大丈夫ですよ…」
頭を打って気絶してるライアーにとりあえず服を着せて、ベッドで寝かして1時間が経った…。
最近思うんだがライアー頭打ち過ぎじゃないか?ちょっと心配になってきた…。
「ライアーさんの服が乾いたので紙袋に入れておきますね」
「あぁ…ありがとう」
また雑談をしてるとようやくライアーが起きてきた。
時刻はもう3時だ…。
「もう大丈夫なのか?」
「心配掛けて済まない…もう大丈夫だ!」
「しかし、何であんな所で気絶してたんですか?」
「そ、それはだな…とりあえず何か着ようと焦ってて、さっき着てた物を着ようとしたんだ…そしたら冷たくて驚いて…気がついたらベッドだった…」
「……ま…まぁ、大事にならなくて良かったですね!」
「全くだ…じゃあ迷惑かけたから幾つか買っていく事にしよう」
「おぉ!ありがとうございます!」
ライアーに好きな物を選ばせて行くと実用的な物ばかり選ぶので、俺と店員で協力して下着以外の合う物を選んでいった。
ベージュの下地にパステルイエローが所々に入ったワンピースや、他にも数点買って更衣室を借りて着替えてきてもらった。
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「にしても遅いね…ご主人様達…」
「カーテンも締まっちゃいましたからね…お陰で入れないじゃないですか…」
今3人の格好はメガネを掛けて帽子を被ったエレノアが青いワンピース姿の耳を隠したイナリの手を繋ぎ、もう片方の手で小型犬にメタモルフォーゼしたマニを抱えている状態だ。
まるで親子である…。
「ありがとうございました!」
「あっ…ようやく出てきたよ…お姉ちゃん」
「よ、ようやくですかぁー?遅いにも程がありますよ…」
「いきなり悲鳴が聞こえてカーテンが締まりましたからね…でもライアーさんは普通に着替えて歩いてますが?」
「とりあえず後をつけましょう!」
今度は隠れる事も無く後ろからついていく3人。
距離は大体30m位だ。
かなり色んな所を回っている。
「何かいい雰囲気だね…僕もちょっと羨ましくなってきた」
「ですねぇ…私も妬いちゃいますよ!」
「でもマニちゃんとイナリちゃんって多分自分の子供みたいに思われてるんじゃないかしら?」
「「そこなんですよ!」」
「ご主人様は仲間というよりも家族って思ってるんですよ!!」
「だから全然ちょっかいも掛けてこないんですよ!!」
「ちょっと2人とも声がでかい!…はっ!?」
エレノアはその場で硬直した…。
「どうしたんだ?小吉?」
「いや?何だかマニたちが居るような気がしてな…気のせいか?ん?」
小吉がエレノア達を見て首を傾げた。
(((やばっ!?)))
「わんわんわん!!」
「あっ!待って!アニ!…何やってんのママ!早く追いかけよう!」
「そ、そうね!こら!待ちなさいアニ!」
(気のせいか…)
…
……
………
「「「はぁはぁはぁ…」」」
3人は変装したままの格好で路地の壁に大の字になってもたれ掛かっていた。
(((あぶねぇ…)))
「何とか逃げ切れましたね!」
「心臓が止まるかと思ったよ…」
「2人とも!次は気をつけてね!」
「「はーい!」」
気を取直してひょこ!っと顔を出したら2人が消えていた…。
「あれ?居ない…」
「「えっ!?」」
2人も顔を出すが見当たらなかった…。
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「いきなりどうしたんだ!?小吉!」
「いや、何か尾行されてる気がして…マニ達か?」
2人は今路地を走って行っては屋根に飛び乗りったり、また走ったりといった一般人が驚くような逃げ方をしていた…。
「尾行って…マニ達は修業中だろ?」
「いや、あいつらなら何とかして尾行とかしそうだ…」
「た、確かに…」
「ここまで来れば大丈夫だろう…」
小吉達は逃げてる途中から何故か街の外に出てしまい、今は外にある森の辺りに居る。
「ようやくか…しかしこのワンピース、足がスースーして落ち着かないんだが…」
「そうか?でも凄く似合ってるぞ」
「ふふ、ありがとう…にしても、もう夕方か…」
現在日が沈みそうになっている所だ。
辺りには当たり前だが人気が無く静かだ。
「そうだな…しかし結構歩いて疲れたな」
その場に腰を降ろして休憩する事にした。
横ではライアーも座り込んでいる。
「今日は楽しかったよ…ただあの噴水はもう懲り懲りだが…」
「はははは…俺も楽しかったぞ。偶には2人っきりもいいもんだな!」
夕日に照らされてライアーの顔が赤く見える。
「小吉…目を瞑っててくれないか?」
「……いいぞ」
意図を察せない程鈍感では無いので目を瞑って待機する。
誰かの吐息が聞こえて当たる…。
「!?」
「にゃ!?」
だが小吉はいきなり目を開けると午前に買った護身用の投擲用のナイフを森に投げた!
カコン!カカカカコン!!
計5個のナイフを投げて険しい表情をする小吉…。
「ななな!?目を瞑ってくれって言っただろ!?」
至近距離まで迫っていたライアーの顔が赤くなるがそれよりもナイフの先が気になった…。
「誰だ!出てこい!次は当てるぞ!」
ガサガサガサ…
「「「す、すみませんでした…」」」
木に一本のナイフで張り付けにされたエレノアと3本のナイフで張り付けにされたイナリと草を掻き分けて来たマニが出てきた…。
俺とライアーは自然とため息をついていた…。
結局邪魔が入るのでーす!




