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『プチ』モンスターテイマー  作者: BIG PURIN
神々と封神晶
35/95

35話 トトーナとアカネと…

その日の昼間の出来事である…。


「ガナッシュ!トトーナちゃん知らない!?」


アカネが焦った様子でガナッシュに駆け寄ってきた…。


「トトーナ?さっきまで一緒に居ただろ?どうしたんだ?」


「さっきお店でアイスクリーム買ってる間に居なくなっちゃったの!」


「何!?探すぞ!まだその辺にいる筈だ!」



……


………


「はぁはぁ…何で居ないんだよ…」


「はぁはぁ…まさか飛んで行っちゃったとか無いよね…」


「有り得るな…一旦戻るか?」


2人は体力的にも厳しいと感じ、一旦戻って探すのを手伝ってもらう事にした…だが…


「あら?もしかして坊や達の事かしら?…ねぇねぇ、君たち?羽の生えた亜人の女の子を知らない?」


「「!?…トトーナ!?」」


2人は顔を見合わせると全く同じ言葉を口にした。

話しかけてきた男性を2人つれた女性は"やっぱり!"みたいな顔で2人に話した。


「そのトトーナちゃんが2人を待ってるわ!私はターメルよ!さぁさぁ、こっちに来て」


「えっ!?ちょ、ちょっと!」


急な事で頭が追いつかないままに、ターメル達に手を引かれて連れていかれた。

ターメルはうっすらと笑っていた…。




そしてしばらく歩くと路地でターメル達が立ち止まった…。


「ん?着いたのか?で、トトーナはどこにーー」


ガンッ!


「なーー」


ドスッ!


急にガナッシュは後頭部に衝撃を受け気絶しそうになるが堪える…しかし今度は横腹を思いっきり蹴られ、壁に打ちつけられた…。


「ガナッシュ!待って!乱暴しないで!」


「アカネ…逃げろ…人さらいだ…売り飛ばされるぞ」


「もう嫌だ!離れたくない!」


「あらあら…感動的ね!大人しくしてるなら痛い目には会わないわよ」


アカネは気絶してしまったガナッシュを抱きしめそれに従った…



……


………


ガシャン!


「おら!ここに入ってな!あひゃひゃひゃひゃ!」


「触らないで!」


「何だと!?このアマ!…まぁいい、商品に傷をつけるなとの事だ…運が良かったな!へっ!」


ガシャン!


人さらいの男はその場から去っていった…。


「どうしよう…小吉兄さん達でも辿りつけるかわからないし…」


「むぐぅ!んん!」


奥から声がしてそちらを向く…


「トトーナちゃん!?無事だったのね!?」


アカネはガナッシュを寝かせ、手足を拘束されたトトーナの猿轡を外そうとする…しかし、錠があり外れない…。

話せない事と動けない事で涙目になるトトーナを宥めて落ち着かせる。


「何か刃物は…そうだ!」


アカネはガナッシュの靴を外し、中の布を取り去る…そして中から2cm程の小さな刃を取り出す。

ガナッシュがもしもの為に仕込んでおいたのだ…。


「これで…トトーナちゃん…ちょっと怖いかも知れないけど我慢してね」


コクコク…


「よし…行くよ…」



……


………


1時間程が経過してきた…。


猿轡の紐がロープの様に太く、刃物も持ちにくい程小さくて時間が掛かっている。

アカネはトトーナを傷つけないように細心の注意を払っては居たが何度も何度も自分の指を切ってしまい手が血だらけになっている…。


「いっ!?…」


「んん!?」


「私は大丈夫だから…後は引っ張れば切れるかな?うーん!…よし!切れた!」


「アカネ!大丈夫!?」


「うん、大丈夫だから」


アカネは自分の手を後ろにさっと不自然にならない様に隠した…。

本当は心臓が動く度にズキズキと痛み、中々血が止まらないのだが、友人を心配させない為にも必死に隠している。


「それよりもガナッシュよ!」


2人はガナッシュに近寄ってみる…頭には大きな傷が出来て、痛々しく血がこびりついている…どうやら血は止まった様だ。

しかし、かなりの出血でかなりヤバイ状況だと感じる…。


「早く逃げなきゃ…そうだ!トトーナちゃんの歌で倒せない?」


「出来ないよ…この手と足に付いてる道具で上手く魔力が使えないの…」


「…それさえ外せればいいのね?」


「多分…でもどうすればいいの?」


見たところ、割と緩いがギリギリ外せないことも無さそうだ…。

それもそうだ…誰もまさか身長100cm位の女の子が魔力を使って攻撃して来るとは思わないだろう。

しかしそれでもギリギリ抜けないのである…。


「痛い!…どうしようアカネ…抜けない…アカネ?何してるの?」


アカネは小さな刃物を持って手の平を大きく切り裂いた…。


「アカネ!何やってるの!?痛くないの!?」


「痛いよ…だけど大丈夫…すぐ治るから…ちょっと汚いけど我慢してね」


そう言ってアカネは自分の血をトトーナの手と足に塗っていく…。

そうだである、アカネは自分の血を潤滑油替わりに使うつもりなのだ。


「これで抜けない?」


(痛い!…でもアカネの方がもっと痛いよね…ぐぬぬぬ……後ちょっと…取れた!)


「やった!とれた!」


「おい!静かにしろ!一体何をしてるんだ!」


どうやら見張りに気がつかれた様だ…


(トトーナは早く外して!私が何とかするから!)


(分かった!)


トトーナは牢屋の奥の隅に移動して足枷を外す。

アカネは牢屋の中でトトーナの対角に位置する見張りから一番見えやすい場所にガナッシュを引き摺って頭を膝に乗せた。


「おい!一体何をーー」


「お願い!助けて!お兄ちゃんが死んじゃう!」


「うわっ!酷い血だな…回収班に苦情出しとくか…仕方無い…今治療出来る奴を連れてくるから大人しくしてろよ!」


ガチャン!


「ん?おい!お前!何をやってるーー」


ドスドスドス!


見張りの男は突如飛んできた羽を食らい吹っ飛んだ…。


「トトーナちゃん!外れたのね!?」


「うん!外れたよ!ありがとうアカネ!じゃあ逃げるよ!」


トトーナは自分の中の1番大きな羽を抜くとそれを硬質化させ鉄格子を切り裂いた。


スパパパパ…

カラカラカラン!


「何だ?今の音は!?」

「鎮圧班を呼べ!今すぐにだ!例の亜人が逃げたかもしれん!」


どうやら上に気がつかれた様だ…。

この施設は地下に造られており、今の場所はかなり地下に位置している…目隠しをされて歩かされたが何度も階段を降りたのだ。


「急ごう!早くしないと一杯来るよ!」



……


………


暗く多く枝分かれした通路を走っては隠れてを繰り返す。

なるべく見つからない様に移動はしているがどうしようもない時は切り捨てて進んでいった…。

人さらい達が来た方向に進めば大体階段が見つかったのでその方向に進んで地上を目指ている、既に5回は階段を上がっているので直ぐにでも地上が見えてくる筈だ…しかし大きな荷物が沢山ある部屋に出た時…。


「あらあら?おいたする悪い子達って貴方達だったの?…大人しく気持ちの悪い貴族の慰みものになっていればいいものを」


ターメルが階段前に部下数人と立ちふさがっていた…。

後半は怒気が凄まじくアカネはそれだけで動けなくなっていた。


「その亜人はどうやら余程の馬鹿みたいね?自分の身の危険を感知出来ないなんて…アンタ達!あのガキ共を弱体化させな!ここまで登ってこれるなんてただのガキじゃないからね!」


「「「「了解!」」」」


途端にアカネとトトーナは体が怠くなって動きにくくなった…アカネはガナッシュを背負ったまま倒れ込んでしまい、トトーナも顔色が悪くなってきてる…。


「なっ!?あいつ化け物か!?俺達の魔術を食らって立っていられる何て…」


「ランクA+が10人だぞ!?」


「アンタ達はそのまま続けな!アタイが仕留める…」


そう言ってターメルは自身の武器であるクロスボウを2つ構える…。

トリガーを引くとクロスボウからマシンガンの様に魔力で形成された矢が飛ぶ。


「っ!?」


咄嗟に飛んで躱す…かなり飛びにくく、通常時の半分も力が出せないでいた…。


「避けたぞあいつ…」


「ターメルさんのクロスボウが外れる所なんて初めて見たぞ…」


「あら?どうやら必死ね…いつまで続くかしら?」


地下にしては広い部屋を縦横無尽に飛んで矢を避ける…しかし本当に避けるので精一杯なので反撃する暇がない…。


荷物を盾にしても木箱等では簡単に粉々にされるので意味が無い。


「中々にすばしっこいわね…そうだ!これならどうかしら?」


ターメルはアカネ達に片方のクロスボウを向ける…トトーナは顔を真っ青にして全速力で飛行した。


(掛かったわね!)


ターメルはもう片手のクロスボウでトトーナの進路に弾幕を貼る…そこに突っ込んだトトーナは見事に撃ち落とされ木箱に盛大に突っ込んだ。


「トトーナちゃん!」


「心配しないで!…まだ大丈夫!」


傷だらけで再び舞い上がるトトーナ…しかし何度も同じ方法で撃ち落とされてしまい、その度に痛々しく傷がつく…。


(おかしいわね…さっきから傷が増えない…まさか!?)


「アンタ達!再生阻害の魔術を使いな!」


「「「「了解!」」」」


「っ!?」


(やっぱり自己再生のスキル持ちか…化け物め…)


そこからはわかり易く傷が増えていく…。


(私達が足でまといだから…くっ!動けない!)


再びトトーナが撃ち落とされ目の前に落ちてきた…。


「トトーナちゃん!もういいよ!トトーナちゃんだけ逃げて!」


「やっ!絶対に置いてかない!」


トトーナは飛ぶのを辞めて立ち上がった…。


「もう虫の息じゃないか?どうだ?大人しく変態どもに売られるきになったか?」


「うるさい!この厚化粧おばさん!」


トトーナの小学生レベルの罵りが倉庫に木霊する…。

しかしそれはターメルにとって1番効く言葉だった…。


(((((あのガキ!?1番言ってはいけない事を!!!)))))


ターメルの部下は気づかれない様にゆっっくりと物陰に隠れた…。


「…あはっ…あはははっ…厚化粧って…アンタ、死んだわよ…」


途端に先程の怒気を上回る怒気と共に放たれた魔力が空中でスパークした。


ドドドドドド!!


先程とは比べ物にならない位の太さの矢が無数に叩き込まれる!


「っ!?」


トトーナは全力で背を向けて翼で防御をする。

1発1発が大砲の様に重たい一撃が無数に当たりみるみるボロボロになっていく…。


「きゃぁぁぁ!!」


矢の雨が止むとトトーナの翼は恐らく飛べない程にボロボロになり、背中にも血が滲む…。


ドサッ!


「トトーナちゃん!死んじゃダメだよ!」


「♪〜♪〜♪♪〜」


「ふんっ!狂ったか、クソガキめ!お前達!回収しな!」


「「「「「了解!」」」」」


「♪♪〜〜♪〜♪♪〜」


「まるで壊れたジュークボックスのようね。酒場にでも売ってやろうかしら」


「そうはさせないですよ!」


その声はアカネ達を安心させるのに十分な声だった…。


※誤字、脱字の改善

(2014/8/28)


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