28話 移動中…
昨日はちょっとした用事でほぼ触れなかった事もあり1日分遅れました…。
近いうちに埋め合わせすると思います!
翌朝、マニとライアーが起きたのを見計らって、馬車作りを始める事にした。
バイエルとラッツが興味があるとの事で一緒に参加する事になった。
「よーし!早速始めようと思う!じゃあマニ!俺がイメージを送るから出来るだけ再現してみてくれ」
「ラジャ!」
俺は目を閉じて昨日考えた構造をマニに送る…。
「ほうほう…これまたシンプルながら複雑ですね…」
「出来るか?」
「多分出来ますよ!…………!!」
ボンッ!
謎の爆音がしてみんなが驚く…。
煙が晴れるとそこには…
「………あれ?何も無いぞ?」
ラッツが疑問の声を上げる。
「いや、ちゃんとあるぞ。…これだ」
俺は真ん中にあった4つの輪っかを持ち上げる。
「何だそれ?手錠か?」
「おいおい…何を考えているんだ?ライアー?まぁ、無理も無いな…これはボールベアリングって品物だ」
我ながら見事なドヤ顔でもと居た世界の知識を披露する。
ボールベアリングとは簡単に言うと、軸と穴の摩擦を減らして機械等の効率を良くする物だ。
今回は馬車の車輪部分に付けてナノ達が速く引ける様にするのが目的だ。
次に車体と車輪を作ってもらい、それを組み込んで組み立てる…。
「よし!これで大丈夫だろう!」
車体の下部分が完成し、バイエル達が乗ってきた馬車の上部分を流用して固定する。
「流石にサスペンションは分からないな…」
衝撃を和らげる為に車輪にバイエルの商品から貰ったゴムっぽい何かを巻き付けてはあるので割と整備されてるっぽい道を進むのには困らないだろう。
「なぁ、ちょっと小さくないか?」
「そうだな…何人いるんだ?えーと………乗るのは11人か…多いな」
一応最低限のバイエルの積荷も乗っているので、 恐らく乗るには乗るだろうがかなりギチギチになると思われる…。
しかも中には心に傷を負ったであろう女の子までいるのだ。
流石に後数日の間ずっとこれでは可哀想だろう。
「仕方無い…拡張するか。ライアー、釘と金槌は出せるか?」
「やってみるよ……………!」
ジャラジャラ!!
ポロポロとそこそこの量の釘と人数分の金槌が落ちてきた。
多分十分だな。
「…!?」
「どうした!?ライアー!?」
出し終わるとライアーはその場にぺたっ、と座り込んでしまった…。
慌てて駆け寄り、肩を掴む。
「大丈夫だ…。にしても予想以上に魔力を使うのだな…今ので半分は無くなったぞ…」
「そうか…、なら後はやるから休んでてくれ!」
「お言葉に甘えるとしよう。済まないな…」
返事の変わりに頭をポンポンと触って立ち上がる。
(にしてもマニの方が明らかにキツイ量の筈だが割と平気そうだったな…)
「なぁ?マニ…お前は大丈夫なのか?」
「はい!元気一杯です!」
何故かいつも通りにピンピンしてるので多分大丈夫だと思う。
その後はラッツやバイエルにも手伝ってもらって馬車を拡張していく。
ラッツはあまりにも不器用で、バイエルはもの凄く器用だった。
話を聞くと昔は大工等もやっていたらしい。
…
……
………
丁度昼頃に馬車は完成した。
かなりの早足だったのはバイエルの作業が凄く早かったからである。
出来たので早速出発する事にした。
御者台にはバイエルとラッツが座って、中にはエレノア達とガナッシュ達とマニ達が乗った。
ピコとマイには馬車を引いてもらい、俺とライアーはナノに乗っている。
「凄く速いですね!この馬車!」
「そうだな!俺も生まれて始めての速さだ!」
御者台の2人は意外に話が弾んでいるようで、割と年代も近い事もあり自分の仕事とかを話している。
「にしても凄いですね、小吉さん達は…まるで過去の英雄のようですね…」
「全くだ…何であれだけ強いのに旦那だけランクが俺よりも低いのか分からないな…。あの魔術だって使えるだけで異常だ…特にマニちゃんの魔術の才能は凄いと思うぞ」
「そうですねぇ…あれで殴ったり蹴ったりして戦うんでしょ?小さいのに凄いですね」
「私がどうかしましたか!?」
「「っ!?」」
マニが後ろの馬車から顔を覗かせる…。
「何でそんなにビックリするんですか!?」
「ごめんごめん。今2人で君達は凄いって話してたんだよ」
「そんなに褒めても何も出ませんよぉ!」
その言葉を聞いてたマニは顔に両手を当てて、頬を赤らめながらイヤンイヤンと首を振る。
そんな小さい可愛い女の子を見てほっこりとした気持ちになる2人だった。
「ねぇ!ねぇ!マニちゃん!ちょっと来て!」
中でエレノアが呼ぶ声が聞こえる。
「ほら、行っといで」
「はーい!なんですかー?」
にっこりと笑ってマニを送り出すバイエル達であった…。
「なんですか?」
「マニちゃん!イナリちゃん!こっちに来て!」
エレノアが興味津々な表情でおいでおいでをしてくる。
ソニアは隣で興味なさげに本を読んでおり、アカネはガナッシュに寄り添って寝ていた。
今朝聞いた話によると、昨日の盗賊達が数日前に住んでいた村を襲撃、そこで生き残ったのだが捕まってしまったのだとか…。
この話を聞いた時小吉は怒り、ライアーが2人を抱き抱えていた…。
ガナッシュの方は元々明るい性格だったお陰で普通に話ができるが、アカネの方は人見知りもある上に、心に負った傷のせいで口数は少ない。
だが、トトーナとは何故か仲がいいのだ…。
そのトトーナもアカネに寄り添って寝ている。
「何ですか?」
「何でしょう?」
「あのね!小吉さんの事を教えて欲しいなぁ…って思ったの!」
((もしかしてエレノアさんって…))
マニとイナリが顔を見合わせる…。
イナリが抱えていたリリーは、よく分かって無いようで頭に?が浮かんでいる。
マニとイナリは別にいいよね?という考えに行き着いた。
「えっと…ご主人様はとにかく優しいです!それに、ご主人様は撫でるのが上手で、撫でられると凄く気持ちいいんですよ!」
うんうん!とイナリとリリーも頷く。
「撫でる…////」
エレノアの顔がもの凄く赤くなった…。
「そ、それと…し、小吉さんって彼女さんとか居るの!?」
「「居ますよ」」
「誰ですか!?」
「「ライアーさんです」」
エレノアさんの顔が引き攣った…。
(気がつかなかったんだ…)
(僕でも気がつくと思うのに…)
「やっぱりそうでしたか…。でも諦めません!」
1人だけ闘志を燃やしているエレノア。
隣で本を読んでいたソニアがため息をつく…。
「ちなみに、何故そんなにもご主人様の事を?」
「女の子はいつになってもピンチに駆け付けてくれる王子様に憧れるものなのよ!」
「なるほど!私も憧れます!」
「僕もです!」
「はぁ(ついていけないわ…)」
…
……
………
一方俺とライアーは、外で馬車と併走していた。
前に俺が乗って後ろにライアーが乗っており、ライアーは俺の腰に腕を回して密着している…。
「な、なぁ…ライアー…そんなにくっつかれると色々とアレなんだが…」
ライアーはどちらかというとかなりペッタンコの方なのだが、今日は防具は外してあるので当たると感触が分かってしまい反応に困る…。
「す、済まない!」
さっと少しだけ隙間を開けてくれる。
若干居心地が良かったのだが、反応してるのを悟られたくは無かったのだ…。
「こうして2人っきりになる機会もそんなに無かったな…」
「そうだな…今は結構幸せな気分だぞ…」
再びギュッと抱きついてくる。
まぁ…いっか…。
「そうか、俺も幸せな気分だぞ…」
(元々の世界じゃあこんな機会無かったからどうすればいいか分からん!)
「……ふふふ」
「どうしたんだ?」
「最初に会った時にはまさかこうなる何て思っても見なかったよ…」
「確かにな。俺も初対面で突き飛ばしてきた相手とこうなるなんて思っても見なかったよ…。そうだ!ワルゴに着いたらさ、2人っきりでデートしよう!」
「えっ?な!?で、デートだと!?」
その瞬間、馬車の中からドタバタと音がした…。
「おい!静かに…、今度は尾行されるぞ…」
「ご、ごめん…。私も小吉とデートしたい…」
小さい声で呟くライアー。
本当に可愛いやつだな…。
…
……
………
(聞いた?お姉ちゃん?)
(聞きました!)
(これはもう?)
(尾行するしかありませんね!)
(マニちゃん!イナリちゃん!私も混ぜて!)
ストーカーが1人増える結果となった…。
次回、ようやく次の都市に着きます!




